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スズキ新型原付2種「アドレス110」試乗レポート

ユーザーから「通勤快速」と言われ大ヒットした「アドレス」シリーズ。新しくファミリーに加わったのは海外では安価なエントリーバイクとして人気の110ccクラスエンジンを搭載したアドレス110です。キビキビとした走行性能が売りだったアドレスシリーズの新入りの走りはどうか?一週間都内の通勤で試乗してインプレッションをお届けします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

通勤快速アドレスシリーズに新しく「アドレス110」が仲間入り

アドレス110undefinedフロントビュー

アドレス110 フロントビュー


少し前の話になりますが2015年1月21日。小雪が降り始めるなかでスズキワールド新宿に足を運びました。目的はスズキの新型原付2種スクーターアドレス110の発表会に参加する為です。

アドレスと言えば、1991年に販売開始されたアドレスV100を皮切りにユーザーから通勤快速と言われ大ヒットしたシリーズです。

近年ではアドレスV100の後継機として発売されたアドレスV125も大ヒットしました。私自身も自宅周辺で使う用途で所有しており、娘のオムツや飼い犬の餌、嫁に頼まれたコメを買いに行く時などに重宝しています。

話を元に戻しますがアドレス110の発表会はスズキもかなり力を入れており、社長をはじめデザイナーまで登壇しての発表となりました。その中で気になったのが最近のスズキは「売れる場所で売れるバイクを作る」というコンセプトを掲げているということです。

アドレス110のメインマーケットはインドネシア

アドレス110はインドネシアで生産されています。つまりスズキのコンセプトどおりならメインマーケットはインドネシアと言うことになります。

インドネシアを含むアセアン地域は日本に比べて路面状況も悪い為、14インチタイヤを装備するなど現地の事情に合わせた設計になっています。

110ccクラスはアセアン地域では日常の足として好んで使われており、日本で好まれる125ccスクーターは高級品という認識のようです。

このような背景からもアドレス110のメインマーケットはインドネシアを中心としたアセアン地域と言えますが、アドレス110には新型エンジンSEPエンジン(スズキエコパフォーマンスエンジン)を搭載しており、低燃費ながらハイパワーを実現しています。

ホンダがグローバルモデルに搭載するエンジンがeSPエンジン。なにやらごっちゃになってしまいそうなネーミングのエンジンですが、メインマーケットであるインドネシアではなく日本で走ってみたらどうなのか?一週間通勤で使用してインプレッションをお届けします。

アドレス110の装備はどうか?

アドレス110undefinedメットイン

アドレス110 メットイン


原付2種クラスのスクーターとしては破格の20万5200円(税込み)で販売開始されたアドレス110ですが、実際に通勤に使って装備の使い勝手を確かめてみました。

まずはシート下のトランクスペースですが、カタログスペック上の容量は20.6L。私のヘルメットはショーエイのフルフェイスヘルメットZ7のMサイズなのですがトランクスペースに収める事が出来ました。他に押し込めばグローブ、レインウェアぐらいであれば入りそうです。

収納面で言うとアドレス110のハンドル下にはペットボトルやグローブを入れるインナーラックがついていますが、駐車した時にグローブを入れておくことができるので意外と便利です。

アドレス110undefinedリアブレーキロックシステム

アドレス110 リアブレーキロックシステム


次にリアブレーキロックシステム。駐輪時にリアのブレーキをかけたままにしておく事が出来るロックシステムが搭載されています。

リアブレーキロックシステム自体は昔のホンダ車などにも装備されていた機構ですが、センタースタンドで駐車するとリアタイヤは浮いてしまうのでサイドスタンド使用時にしか使ません。

近年ではサイドスタンドがオプション扱いの車両が多くなったので見かける機会も減りましたが、仕組みはいたって単純。ブレーキレバーをひいた状態でロックしておく事が出来るアナログなシステムです。坂道に駐車する際などには意外と重宝します。

シート後ろ側にはアルミのごついリアキャリアが装備されていますが、リアボックスのベースを取り付けするのに穴の位置が決まってしまっており若干つけずらそうに思いましたが、実際に装着してみたところ絶妙な穴位置で問題なく装着することができました。


SEPエンジンを搭載したアドレス110の走りはどうか?

アドレス110undefinedサイドビュー

アドレス110 サイドビュー


SEPエンジンを搭載したアドレス110の最高出力は9.1ps/8000rpmを出力します。同社のアドレスV125の最高出力は9.9ps/7500rpmですので馬力的には少々劣るのですが、実際に走ってみると現行のアドレスV125と遜色なく走ります。

ただし近年は燃費などを気にして駆動系のセッティングで出足が遅く感じることあるのですが、アドレス110も出足はまったりとしています。ウエイトローラーをもう少し軽くするともう少しキビキビ走りそうですが、40キロ~50キロぐらいの巡航速度でアクセルを回した際の反応は悪くありません。

特徴的な14インチ前後タイヤを含めた足回りはインドネシアで悪路を走行することを想定してるからか非常に直進安定性が高く感じました。

また交差点などでのコーナリング時にも安心して車体を倒して曲がることが出来ます。10インチホイールを装備するアドレスV125に比べると安定感は良好です。

ブレーキは片押しシングルポットのディスクブレーキが装備されており、ディスクブレーキとしては最もシンプルな機構のブレーキを採用していますが、制動力は前後共に申し分なくしっかりと止まります。

価格のバリューと走行性能は高いが日本で受け入れられるか?

アドレス110undefinedリアビュー

アドレス110 リアビュー


安価な110ccクラスのスクーターというとホンダのディオ110がライバルとして上げられますが、同社の125ccスクーターPCXやリード125に比べると販売台数は苦戦しています。

逆にアセアン地域では110ccクラスのスクーターが非常に好調のようですが、日本では多少値段が張っても高性能な原付2種クラスが選ばれる傾向があります。

しかしホンダはディオ110に新型の空冷ESPエンジンを搭載してリニューアル。スズキがSEPエンジンを搭載したアドレス110をリリースしてきました。走行性能的には問題ないレベルです。
アドレス110undefinedステップボード

アドレス110 ステップボード


14インチタイヤを装備する構造上足元のステップボードスペースが狭く、これを懸念するユーザーもいらっしゃいます。個人的にはこの価格でこの走り。この装備であれば「買い」の一台ではありますが、日本のマーケットで受け入れられるか?未知数の一台です。

アドレス110ちょっとカスタムするなら

アドレス110をカスタムする上で注意しなければならない事があります。実はアドレスV100とアドレスV125がリリースされる間にスズキはアドレス110というスクーターをリリースしています。

1998年から2003年まで生産された2サイクルスクーターです。現在販売されているアドレス110と同じ名前の車両ですのでパーツを買う際などには注意が必要となります。

スズキがアドレスを販売する際に新車購入キャンペーンなどでプレゼントしていたことからもアドレスにはGIVIの30Lモノロックケースという印象があります。GIVIのベースに関してはアドレス110に装着できるのも確認済みです。

デイトナのウインドシールドSSは比較的小さめのウインドスクリーンですが、疲労の軽減には効果抜群。色もスモークだとシャープなアドレス110の印象を崩しません。


アドレス110関連リンク


■アドレス110のエンジン音 マフラー音 各部詳細の動画
■ライバルディオ110のインプレッション


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