「マスキング」というと、テープが一般的だが、「マスキング塗料」というのもある。
そもそもマスキングは、自動車などに塗装するときに塗装してはいけないところを隠す(マスク)ことが目的。平面なところならマスキングテープが活躍してくれるが、曲面の場合は、テープだと上手くマスクできないことがある。
そこで、使うのが「マスキング塗料」。塗装してはいけないところを塗っていくのだ。塗ってはいけないところを塗っていくとは、なんだか矛盾しているが、とにかくそうしていくのだ。
「マスキングテープ」は塗装して乾かせたらテープをピーッと引きはがしていく。「マスキング塗料」の場合も用が済めばはがさなくてならない。これは乾くと、ペラペラと剥がしていける。
この乾いたら剥がせる「マスキング塗料」をもっと一般の人たちにも楽しんでもらおうと、太洋塗料が「マスキングカラー」として発売している。
水性なので扱いやすい
使い方は、まず容器を振って中の塗料をしっかりと混ぜる。キャップをはずして、あとは容器をペンのように握って描いていく。描く面は、ガラス、プラスチックなど表面がツルツルしたところならOK。紙などには使えない。もし、描き間違って修正したいときは、水性塗料なので、水の付いたティッシュや布などで拭けばキレイになる。
容器を握って塗料をグニュと押し出して描いていくので、塗料が出過ぎてしまうこともある。その場合は、キャップの先端をへら代わりにしてならしていく。
描いたものは、1日かけて乾かす必要がある。乾いてしまえば、塗料は面白いようにペラペラとはがせる。ちなみに、一度乾いて剥がしたものは、何度もガラス面などに貼って剥がしてを繰り返せる。
ショップのウィンドウに描いたり、自宅のガラスにクリスマスのデコレーションをしたりなど、気軽に使うことができる。
文具として使えないか?
せっかくのこの「マスキングカラー」、文具として使えないだろうか。私が思いついたのは、クリアフォルダーのインデックスにするという方法。クリアフォルダーは表面がツルツルしているので、ここをパレット代わりに描いていける。数字や文字も描けるが、これは絵心やコツが少々必要となる。私は四角いインデックスマークだけにしてみた。
乾いたら剥がして、クリアフォルダーの口のところにペタリと貼り付ける。赤、黄、青を使って信号のようにして、書類の重要度を分けるということもできる。
クリアフォルダーに使うときは、不透明タイプよりも、透明タイプの方がしっくりとくる印象だった。
また、MOLESKINEの表紙に描くという用途もありそうだ。ふつうのペンでは表紙にタイトルや年号が書きづらかった。
やり方は、表紙に直接「マスキングカラー」で描くだけ。表紙には細かな凸凹があるが、描いていける。そして、乾けばほぼキレイに剥がすことができてしまう。ただ、この場合は再び貼り付けることはできなかった。年号や何冊目かを示すナンバリングを入れるといいと思う。実際に行う場合は、念のため目立たないところで試して、上手く剥がせるなど確認して行ってほしい。なお、「マスキングカラー」は、本革には使えない。
これ以外にも色々な使い方ができそうだ。
■関連リンク
*太洋塗料 マスキングカラー