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「お父さんのような人」と結婚したい、に覚える違和感

最近は、父と娘の仲がよい家庭が増えているようだ。20代OLでは、「お父さんのような人と結婚したい」と答えた人が、「今の彼」を抑えて圧倒的に多い。仲がいいのはいけないことではないが、自分が生まれ育った家族や父親の愛情に執着すると、自分の結婚や結婚生活に弊害が生まれることもなきにしもあらず……。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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お父さんと結婚したい?

お父さんと結婚したい?

この2月、カルピス株式会社が、20代独身OLを対象に、「理想の結婚相手」は誰かを調査した。回答した617人のうち、トップは「自分の父親」(70人)で、その次が「今の彼氏」(45人)だったという。今どきの父娘関係はおおむね良好で、7割が父親を好きだと答え、ふたりだけで外食をする女性も4割を越えているそうだ(※)。

この結果になんとなく違和感を覚えるのは、個人的に親を好きとか嫌いとかあまり考えたことがないからだろうか。あるいは世代的なものだろうか。子は親を選んで生まれてきたわけではない。親子はある種の縁だから、私自身は好き嫌いの判断を放棄している。親からいっても、「こんな子になるはずじゃなかった」と思っているかもしれない、と冷静に考えている自分がいる。

父親のような人の具体的内容は?

父娘関係がいいのは悪いことではない。だがかつて若い娘は、父親を無意識のうちに嫌うことが多かった。父親とは違うタイプの恋人を選び、結婚して子どもをもって、ようやく父との仲がスムーズになったという話もよく聞いた。父親は恋人選びの反面教師のような役割を果たしていたのだろう。

昔の「父親」は、今の父親より横暴だった。その結果、家族から疎まれることも多々あった。そんな時代を経て、今の父親は、父権を振りかざさなくなり、「友だち親子」が増えた。

だが、「父親のような人と結婚したい」の具体的内容は、どういうことなのだろう。周りの20代に聞いてみた。

「うちは両親がとても仲がいいんです。父が母をすごく大事にして気を遣っている。それを見ていると、こういう人と結婚したいなと思いますよ」
マナミさん(27歳)は、穏やかな笑みを浮かべながらそう言った。

優しいお父さんは、彼女にとって男性を選ぶときのベースになっている。妻に気を遣い、いつも妻をかばう夫。そして妻はそんな夫を心の底から頼りにして信頼する。そんな関係がごく自然に作れるとマナミさんは思っていたそうだ。

「ところが自分の恋愛となると……。実は私、去年、2度目の婚約破棄をしているんです。最初は24歳のとき、学生時代から2年のつきあいだった先輩と。結婚式をどうするかという話になって、あまりに意見が違うことがわかって。彼の家は、よくいえば家族がみんな自立している、悪くいえば仲がよくない。うちは仲のいい家族なので、家族観がまったく合わなかった」

そして昨年が2度目。つきあって半年で婚約したものの、彼からの愛情に不審を抱いた。

「父から愛されて育った感覚が強いので、やはり他人である夫は私をきちんと愛してくれないんだ、と落ち込みました。今でもやはりそう思っていますね。父は、恋人や婚約者は違うとわかっている。でも、私をじゅうぶんに愛してくれないと不満を抱くと、この人じゃダメだわと思ってしまう」

>>理想は父親、が結婚を遠ざけることも?
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