クルマの賢い買い方・売り方/車購入ガイド

アクセルとブレーキを間違えても「飛び出さない」機能

「アクセルとブレーキの踏み間違い」による事故は年配ドライバーが起こすと思われがちですが、実は10代や20代の初心者ドライバーにも多いのです。しかし、こうしたペダルの踏み間違いによる事故を防ぐための安全装備が搭載されたクルマを選べば、うっかり事故も防ぐことができるかもしれません。

小池 りょう子

執筆者:小池 りょう子

車ガイド

前進時の飛び出し防止機能は、ほとんどの国産メーカーが開発

スバル車駐車場縁石

縁石を乗り越えて壁に衝突……そんな事故を防ぐ機能があります


駐車時にブレーキとアクセルを踏み間違えて、車留めを乗り越えてしまい壁や店舗に突っ込んでしまった、という事故が増えています。男性の場合は70歳以上のドライバーに一番多く見られる事故ですが、女性の場合は18歳~29歳のドライバーが起こす割合が一番高く、「高齢だから仕方ない」では済まされません。

壁とクルマの間に人間がいた場合には、アクセルを思い切り踏んでしまうと大参事になります。誘導している人が、ドライバーの運転ミスにより死傷した事故も発生しています。駐車中に携帯電話の着信音に驚いてしまった、バックさせるときにハンドルを切って体をねじったらアクセルとブレーキの位置がわからなくなった、など、駐車場ではドライバーをパニックに陥らせる状況になりやすいからです。

そこで自動車メーカーも、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防ぐための安全装備を開発しています。現在、ほとんどの国産車メーカーは「誤発進を抑制する機能」を新型モデルから順次搭載を始めています。

しかし、自動車メーカーによって微妙に「飛び出し防止機能」の呼び方が違うので、ここで整理します。いずれも「前進時」「低速走行時」の急なアクセル操作を感知すると、エンジンの出力を抑え、警告音などによってドライバーに知らせ、前方にある障害物への衝突を防ぐ機能です。

■トヨタ 「インテリジェントクリアランスソナー」
主な搭載車:クラウン系、アルファード、ヴェルファイア、ハリアー

■日産 「踏み間違い衝突防止アシスト」
主な搭載車:ノート、セレナ、エルグランド、エクストレイル

■ホンダ 「誤発進抑制機能」
主な搭載車:レジェンド、ジェイド、オデッセイ

■三菱 「誤発進抑制機能」
主な搭載車:ekシリーズ

■マツダ 「AT誤発進制御」
主な搭載車:デミオ、アクセラ、アテンザ、CX-5

■スバル 「AT誤発進抑制制御」
主な搭載車:レガシイシリーズ、インプレッサ、XV、フォレスター

■ダイハツ 「誤発進抑制制御機能」
主な搭載車:ムーヴ、ミライース

■スズキ 「誤発進抑制機能」
主な搭載車:ワゴンR、アルト、スペーシア

自分が欲しい車種にこのような機能が付いているかを調べるには、各メーカーのホームページでも確認できます。また、自動車を購入するときに販売店の営業スタッフへ「誤発進の抑制機能は付いているか?」と問い合わせるのも良いでしょう。

後進(バック)時までアシストしてくれるメーカーもある

日産の「踏み間違い衝突防止アシスト」や、トヨタの「インテリジェントクリアランスソナー」については、前進時だけでなく、後進(バック)時も進行方向の障害物を感知し、急な発進を抑制してくれます。

トヨタクラウンクリアランスソナー

トヨタ「インテリジェントクリアランスソナー」は後方の障害物も感知


他にも後進(バック)時の制御については、マツダは「アテンザ」「CX-5」などにメーカーオプション(新車注文時のオーダー)設定、スバルは「アイサイトVer.3」を搭載できる車種に追加されているようです。

また、軽自動車初の後方誤発進抑制機能を搭載したのが、ダイハツ「ムーヴ」です。
ムーヴの後方誤発進抑制システム

軽自動車で初搭載の「後方誤発進抑制制御機能」


30代、40代は帰省したときなどに、久しぶりに親が運転するクルマの助手席に乗ると、年齢による運転感覚の衰えに「ヒヤッ」とすることもあるでしょう。また、年度末は高校を卒業し、自動車の運転デビューをする10代ドライバーも増えてきます。

「子供から親へ勧めたい」「親が子供に乗らせたい」

そんなクルマを検討するのであれば、こういった安全装備に注目するのも大切です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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