医療保険/介護保険の基礎を学ぼう

民間の介護保険を選ぶ5つのポイント(2ページ目)

高齢化社会により、保険会社の介護保険商品が注目されています。しかし、保険会社によって保障内容は異なり、貯蓄性のあるものとないもの(掛け捨て)もあります。どのように選べば良いか迷いそうですが、5つのポイントを押さえておけば大丈夫。介護保険商品の選び方を整理してみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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3. 保障の大きさ(介護保険金の額)はどうする?

介護一時金でも介護年金でも、加入するには保障額を決める必要があります。しかし、介護経験者でもないと必要な額はなかなかイメージしづらいものです。そこで、介護をしている人の実際の負担額から保障の大きさをイメージしてみましょう。

要介護度別 在宅介護の高齢者のための支出合計額

要介護度別 在宅介護の高齢者のための支出合計額

表の金額は、介護が必要な65歳以上の親と同居している人に、1カ月間の介護費用を聞いたものです。全体平均では69,089円、要介護2の場合では76,670円となっています。単純に12倍すれば、1年間で平均約83万円、要介護2で約92万円かかることになります。中央値でみると、1カ月あたり約4.4万円(年約53万円)となっています。

仮に、要介護2の負担額を介護年金で備えようと考えるなら、介護年金の保障額は年90万円程度にするとよさそうです。

4. 保険期間は終身と定期どちらがいい?

家族に頼らなくても済むよう介護へ備えておきたい

家族に頼らなくても済むよう介護へ備えておきたい

生命保険であればどの商品にも言えることですが、保険(保障)期間が終身の介護保険もあれば、定期の介護保険もあります。

保険期間は長いほうが保障として当然安心できますが、保険料も定期より終身のほうが高いです。また、女性のほうが男性よりも平均寿命が長いことから、終身の場合、概して男性より女性の保険料が高いです。おそらく、女性のほうが長生きする分、要介護状態になる可能性(介護保険金を受取る可能性)が高いとの判断でしょう。

5. 貯蓄性ありと掛け捨て、どちらがいい?

介護保険にも、貯蓄性のあるタイプとない(掛捨て)タイプの保険があります。

貯蓄性のある介護保険の中には、介護保険金を受け取らず解約すると、支払った保険料以上の解約返戻金が存在する保険もあります。一時払いの介護保険で、解約返戻金が保険期間を通じて一時払保険料相当額の80%になっている保険もあります。

貯蓄性があれば保険料は高くなり、貯蓄性がない(掛け捨て)と保険料は安くなります。月々の保険料負担を抑えるなら、掛け捨てタイプの保険を選ぶとよいです。

“発展途上”の介護保険、商品自体がまだまだ少ない

介護保険は医療保険やがん保険と比べて商品数がまだ少ないです。加入できる年齢にかなり制約があり、契約年齢を40歳以上や50歳以上としている介護保険もあります。そのため、5つのポイントを抑えておけば、かなり絞り込むことができるはずです。

介護への備えは公的介護保険が第一であり、それでは不足すると思われる部分を貯蓄や保険会社の介護保険で賢く備えてください。

※介護保険の介護一時金や介護年金を受け取るには、所定の介護状態になるだけでなく、保険会社への請求も必要になります。介護保険の詳細については、保険会社等へ確認して下さい。

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