ライバル達よりひと回り大きい、エレガントなクーぺフォルム
往年の名車の名前を受け継いだ、ブランド初となるミドルクラスサルーン。クアトロポルテより、より若々しくスポーティさを強調した。車名はイタリア語でアフリカ北部で吹くサハラ砂漠からの熱く乾いた風、を意味する
クアトロポルテとグラントゥーリズモというハイエンドな2トップをブランドのフラッグシップとして頂きつつ、近い将来に投入されるクロスオーバーSUV(ベースはジープ・グランドチェロキー)とこのギブリとで、独り立ち可能な規模まで販売台数を増やしていこうという目論みだ。
日本でのラインナップはベースグレード(834万円)、S(967万円)、S Q4(1039万円)。ボディサイズは全長4970mm×全幅1945mm×全高1485mm。クアトロポルテより全長300mm、全幅5mm大きく、全高は15mm高い
けれども実物をみると、かなりの大柄だ。事実、寸法スペックでは、ほとんどメルセデスの旧型Sクラスに迫るサイズになっている。
巨大化した兄貴分のクアトロポルテと比べても、全長が30cm短いだけで、ほぼ同じ全幅=つまりシャシーは共通だから、感覚的にはクアトロポルテショート、もしくは旧型クアトロポルテの後継車、と言ってもいいくらい。そのことは、クアトロポルテV6モデルとの価格差が、意外に小さいことからも分かるだろう。Eセグメントの他欧州車と比べても、やっぱりボディサイズはひと回り大きい。
それゆえ、クアトロポルテと共通の言語でデザインされたクーペフォルムの4ドアスタイリングは、ダイナミックやエレガントという言葉が本当によく似合うと思う。ボディ寸法に余裕があるぶん、大胆にデザインすることができた。
インテリアもスポーティさを際立たせるダブル・コクピット・レイアウトだ。見るからに高価で薄いレザーハイドで覆われた雰囲気は、貴族趣味のマセラティならでは。
エンジンスペックの違いで2種類のFRモデル、ギブリとギブリS、さらには電子制御多板クラッチ4WDを積んだギブリS Q4という、3グレードを用意する。パワートレインはいずれもクアトロポルテでお馴染みの、マラネロ製3リッターV6ツインターボ+8AT。