桐谷さんがパルコの映画優待券をイチオシする理由は――
パルコ優待をイチオシする桐谷さん
パルコ<8251>
「パルコ<8251>は、配当が2.22%と東証一部上場企業の平均を上回っているし、優待もなかなか充実しているんです。なかでも私のお目当ては、映画の招待券。半年ごとに2枚、年間4枚の映画券が送られてくるので、配当と合わせると実質利回りもなかなかいい」さらに桐谷さんは、パルコの映画優待券がほかと比べて優れている“ある点”に注目!
「実はパルコの映画優待券は、金券ショップで1枚ずつ換金できるんですヨ。これは今ではかなり貴重なんです。今は、ほとんどの映画優待券が回数券方式になり、株主名が記載された表紙がないと無効になってしまったり、カード式になったりで換金しづらくなってしまいましたからネ。その点、パルコの映画優待券は1枚ずつちぎって売れる。私の行く金券ショップでは、1枚1100円で買い取ってくれるので、仮に4枚すべてを売ると年間4400円になり、それだけでも5%以上の利回りに。配当と合わせると、実質利回りは8%にもなります。もちろん、自分で映画を観にいくほうが利回りは高いですヨ。ほかにも、パルコでの買い物が5%引きになるカードが作れたり、大丸・松坂屋で、2000円ごとに100円分として使える優待券が貰えるなど、買い物をする上でもメリットが多い。100株単位なので、今だと約8万円で株主になれるというお手軽さも魅力!」
明光ネットワークジャパン<4668>
「明光ネットワークジャパン<4668>は、学習塾の明光義塾などを運営する会社ですが、2年前に、“100株以上の保有者に3000円のクオカードをつける”という優待を発表して、株価が急騰しました。配当利回りが2.84%あって、優待で3000円のクオカードがもらえるので、合わせて実質5.44%の高利回りになりますネ。金券優待は現金と同じですから、家計にダイレクトに役立つのが嬉しい点。コンビニでも使えますし、本屋やドラッグストアなど利用できるところも多いんですヨ。学習塾だからなのか、だるまの模様が描かれたクオカードがユニークです」ビックカメラ<3048>
「ビッグカメラ<3048>は、ご存知のように、首都圏の駅前にあるカメラ系の量販店ですね。電化製品から日用品までなんでも揃うので、私もよく利用するんですヨ。ここは、優待ブームで株価がすごく上がりました。配当は1.44%と低いのですが、100株保有で1000円券が年間3枚送られてきます。この優待のいいところは、2年以上保有すると2000円分がプラスされる…つまり、100株で年間5000円分の金券がもらえるということ。1000円券が3枚でも4.2%の利回りがあるのに、5000円分になると7.2%になるから非常に美味しいですよネ。薬から家電までなんでも揃うし、御中元や御歳暮の売れ残りも半額くらいで売っていて、重宝します。最近では、ユニクロとコラボした『ビックロ』の店舗も展開しているから、服まで買えちゃう。店が近くにある人にはぜひおススメしたい優待ですネ」吉野家ホールディングス<9861>
「吉野家ホールディングス<9861>、ここも優待ブームで人気が出て、株価が急騰した企業のひとつ。今年の2月くらいにいったん株価が1500円まで上がったけれど、今は1250~1300円くらいで落ち着いていますネ。株は上がれば必ず下がりますから、高いところで買った人はお気の毒ですけれど、こればかりはしょうがないので…。吉野家の配当は1.61%と平均よりも少し下回るのですが、優待と合わせると利回りはグンと上がります。100株保有で、全国の吉野家で使える300円券が10枚ついてきて年2回もらえますから、利回りは4.7%、合計すると実質利回りは6%にもなりますネ。私のお気入りは、牛丼とけんちん汁を頼んで、さらにキムチやサラダといったサイドディッシュをつけて、2枚の優待券を使う定番コースです」ヤマト インターナショナル<8127>
「ヤマト インターナショナル<8127>は『クロコダイル』『エーグル』などのブランドを展開する中堅アパレル企業です。ここは、なんといっても配当が3.69%と高いのが魅力ですネ。100株単位なので4万円ちょっとで株主になれます。100株保有の場合、1000円相当の自社商品が優待として貰えるのですが、最近だとワニのマークの『クロコダイル』の靴下が男女セットで送られてきます。品質がよく、履き心地もなかなかですヨ。配当がいいし、靴下という実用品がもらえるので、オススメ優待にランクインさせました」★桐谷さんの連載は次回に続きます!
1949年広島県出身、将棋棋士・投資家。日本テレビ系のバラエティ番組『月曜から夜ふかし』で現金を使わず、株主優待のみで生活をする姿が話題になった。現在はテレビ、雑誌、書籍などで幅広く活躍し『桐谷さんの株主優待生活』など著書多数。
取材・文/西尾英子 撮影/松本英明