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欧州株に投資する3つの理由

海外に投資するならアメリカかアジアと答える人は多いのですが、欧州となると、考えたこともない人が多いようです。欧州金融危機の印象がまだ残っているのでしょうか?しかし、2014年は欧州株の年だという見方もあります。欧州株の魅力を知ってください。これが国際分散投資の醍醐味です。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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株価高騰の地域を地球儀から探す

国際分散投資において、より高いリターンを得るために必要なことは、株価上昇が見込める地域に厚めの投資をしておくことです。これは、なかなか簡単には成功しませんが、外したとしてもロスは小さい。なぜなら、国際分散投資では世界中の株式市場全体を買っているからです。

さて、昨年の2013年は日本の株価高騰が顕著でした。2012年はアジア株が最高に好調でした。2011年はアメリカ株式の年でした。この地域を当てた人は、高いリターンに潤いました。

今年の2014年は、欧州株の年となるかもしれません。そう思える理由を3つご紹介します。

ドイツの景気は好調です

欧州の経済の推進役はドイツです(ユーロ圏のGDPの28%)。ギリシャ危機の火消しに貢献したのもドイツでした。欧州の中でドイツ経済はひときわ好調ですが、その経済成長は加速しています。

ドイツのifo経済研究所が発表した2月の企業景況感指数は4ヶ月連続で改善となっており、これは2011年7月以来の高水準にあります。景況感の改善は、鉱工業生産の後押しともなり、製造業の受注増などを通した、国内需要の増加が期待されます。輸出と投資の増加も見込まれています。GDP成長率としては、2014年が1.8%、2015年が2%になると予測されています。

ギリシャ、スペインも最悪期を脱しました

欧州金融危機の震源地であったギリシャ、スペイン、イタリアなど南ヨーロッパでも、景気が最悪期を脱した模様です。南欧諸国が経常黒字に転じたことで、2013年のユーロ圏の経常黒字は過去最大となりました。

金融破たんがウワサされたこれらの株式市場は悲観論に覆われていましたから、株価も過小評価されていました。正常化すれば、株価も大きく反発します。直近の1年間の騰落率は、ドイツが15%(DAX)、スペインが20%(IBEX35)、イタリアが30%(FTSEMIB)の上昇となっています。現状でも、まだ上昇余地を残しています。

中央銀行(ECB)は金融緩和に大胆です

欧州圏の金融政策を担当しているのが欧州中央銀行(ECB)ですが、そこのドラギ総裁は経済の復活に意欲的です。利下げや、長期資金の供給拡大などの金融緩和策を今後も、取り続けることが予想されます。

銀行に預けると金利を取られる「マイナス金利」の導入まで検討していると報道されています。銀行監督一元化により、欧州金融への信頼を高める政策も着実に実行されています。中央銀行から一貫した力強いサポートを受けられることも、欧州株価の好材料の一つなのです。

不安があるから株価は反発する

そうはいっても、欧州経済が素早く回復するというほど気楽な状況ではありません。

失業率は依然として高止まりしています。内需拡大に失敗すればデフレに陥るリスクがあります。さらに、今のウクライナの緊張が高まれば、ロシアとの関係悪化による、輸出不振に陥るリスクがあります。ロシアだけでなく他の新興国経済の減速も気になるところです。

不安を探せばなくはないのですが、私は欧州経済の本格復活と欧州株の猛反発を、今年は期待しています。

投資のリターンとは、不安とリスクが残る地域に生まれるからです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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