F1/F1(フォーミュラ1)について

映画「RUSH」を見る前に学ぼう、F1の世界(4ページ目)

2014年2月7日公開の映画「ラッシュ/プライドと友情」をご紹介。1976年のF1を知る人も知らない人も楽しめるヒューマンドラマだが、今回は映画をより楽しんで頂くために、70年代のF1と現在のF1の違いについても解説。ぜひお楽しみ頂きたい作品だ。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

最終戦の舞台は富士スピードウェイ

現在は三重県の鈴鹿サーキットで開催されている「F1日本グランプリ」だが、実は1970年代の2年間は静岡県の「富士スピードウェイ」で開催されていた(後に2007年~08年でも開催)。

映画のクライマックスの舞台となる1976年の「富士スピードウェイ」は日本で最初にF1を開催したサーキットだ。今、F1と言えば、誰もが「レース」を想像できるが、当時はテレビで全戦中継が行われていたわけでもなく、雑誌などを見て2ヶ月遅れでレース結果を知るというのが当たり前だったそうだ。

日本で見ることができたフォーミュラカーのレースの最高峰は「全日本F2000選手権」(現在のスーパーフォーミュラ)であり、海の向こうで開催されているF1は憧れの存在だった。そのF1を見た人々の興奮は今では想像もつかないほどの衝撃だっただろう。この映画「ラッシュ/プライドと友情」を見る時には、そんなことを想像しながら見て頂ければと思う。
ラッシュ

映画「ラッシュ/プライドと友情」
(C)2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.

そんな富士のシーンだが、現在の富士スピードウェイは近代的なサーキットに改修されているため、実はイギリスの飛行場でセットを組んで撮影されたそうだ。英国ウォーキングにある「マクラーレン」のファクトリーから20kmほど西のブラックブッシュ空港がそのロケ地である。ここは元々ドラッグレース場だったそうで、長いストレートを持つ富士にピッタリのロケーションだという。イギリスやヨーロッパ各国には今もこの時代のF1マシンが数多く動態保存されており、各オーナーが趣味で所有している実車を使って撮影が行われた。撮影地こそイギリスであるものの、とにかくリアルさにこだわったロン・ハワード監督に感謝したい。

ホンモノそっくりのラウダとハント

リアルと言えば、ロン・ハワード監督が「それほど難しくなかった」と語る主役のラウダ役とハント役のキャスティングも見事だ。

ラウダ役を演じるのは、ドイツの俳優ダニエル・ブリュール。ニキ・ラウダはオーストリアの出身であるため、ダニエルはラウダに会ってオーストリア訛りのドイツ語や独特の英語の話し方を習得した。ラウダも「彼は素晴らしい能力で私になりきってくれた」と太鼓判を押す完璧な演技力だ。ゴールデングローブ賞助演男優賞へのノミネートも納得できる。
ラッシュ

映画「ラッシュ/プライドと友情」
(C)2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.

また、ハント役のクリス・ヘムズワースも破天荒でテキトー感満点なハントに見事になりきっているし、顔や表情もソックリだ。特に素晴らしいのが、その話し方。ハント自身は1993年に心臓発作により45歳の若さで亡くなっているが、79年引退後は英国BBCのF1中継の解説者として活躍。名アナウンサーのマーレイ・ウォーカーとは対照的に、酒でもあおって解説しているのかと思ってしまうヒッピー的な話し方が特徴的だった。
ラウダ

「メルセデス」のアンバサダーとして今も元気にF1パドックを訪れるニキ・ラウダ。 
【写真提供:Daimler】

「ラウダvsハント」の対決のストーリーは知っているけど喋っている姿は印象にないという方は、動画サイトなどでラウダ、ハントの喋っている姿を見てから作品をご覧になるのも良いかもしれない。

と、ちょっとF1を知っている人、マニアな人向けに映画「ラッシュ/プライドと友情」の見所を書いてきたが、この映画は解説的な部分を極力簡素化し、単純にドラマとしても楽しめる作品になっているので、趣味の合うレース好きの人をわざわざ探す必要はない。レースを全く知らない人と行っても楽しめる。

また、良い映画だと感じたら、改めて一人で足を運び、五感を研ぎ澄ませながら迫力のレースに浸るのも良いと思う。実際にガイド(筆者)自身も劇場の大スクリーンで改めて見ることができる2014年2月7日の公開が楽しみで仕方がない。まさにキャッチコピーのごとく「生涯の一本を塗り替える」素晴らしい作品に出会った。

映画「ラッシュ/プライドと友情」公式サイト
公式Facebookページ (予告編も見られる)
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