鉄道/SL

「SL銀河」用機関車C58形239号機、40年振りに復活!!

2014年4月の運行開始を目指して復元工事を行ってきた蒸気機関車C58形239号機が、およそ1年の作業を終えてついに復活した。鉄の塊りだった巨体に火が入り、煙を出し、蒸気を勢いよく吐き出す姿を目の当たりにすると、まるで生き物のように生き返ったと実感する。40年振りに眠りから覚めて動き出した蒸気機関車C58の今をレポートする。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

C58形239号機の生涯

生き返ったC58形239号機

生き返ったC58形239号機


盛岡所属の盛の字

運転台には所属の盛岡を示す「盛」の字が入った

蒸気機関車C58形は、中型の旅客・貨物両用の万能機関車として1938年に誕生し、その後10年間に427両が製造され、もっぱら全国の地方路線で活躍した。239号機は、1940年6月に製造され、はじめは名古屋に配置されたが、1943年に岩手県三陸の宮古機関区(今はない)に転じ、以来、1972年に廃車となるまで山田線など岩手県の路線で活躍した。その後、1973年より、盛岡市内にある岩手県営運動公園にて静態保存されてきた。

 


C61

C58はJR東日本ではC61に続く4両目の復元機関車だ

もう二度と動くことがないと思われた公園の展示機関車に奇跡が起こったのは、東日本大震災の後だった。すでに3両の蒸気機関車を復元して各地で好評を得ていたJR東日本は、4両目の蒸気機関車を復活させて、もっぱら岩手県を中心とした東北でのイベント用に使用し、ローカル線の活性化で地域の復興に寄与することを考えた。数多くの保存機関車を調査した結果、比較的状態のよかったC58形239号機に白羽の矢が立ったのである。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます