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基本の鉄道用語 これを知ればあなたも鉄道通!?

鉄道用語、鉄道車両用語には様々なものがあり、身近なようでいて、鉄道ファン以外には敷居が高いものが多い。モハ、D51、E7など、ホームに停まっている列車の車体に書かれている記号にはどんな意味があるのか、鉄道マニアたちが話す「ウヤ」や「マルヨ」って何?など、今さら聞けない用語や記号の基礎知識をまとめてみた。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

ホームに停まっている列車の車体に書いてある記号の意味

鉄道用語、鉄道車両用語には様々なものがあり、身近なようでいて、鉄道ファン以外には敷居が高いものが多い。ホームに停まっている列車の車体に書かれている記号には、どんな意味があるのか、今さら聞けない用語や記号の基礎知識をまとめてみた。

その1:モハ、クハ、キハ……って何?

クハ

クハは運転台付きの電車で普通車のこと


モハ、クハ、サハ、という記号は、電車の車体に記されている。よく見かけるのではないだろうか?

「モ」は、モーター付きの車両、「ク」は運転台のある車両、「サ」は、モーターなしの車両という意味である。2番目の「ハ」は車両の等級で、かつては、「イ」=1等、「ロ」=2等、「ハ」=3等を表わしていた。

その後、等級が整理され、1等が廃止、ロとハだけの2種類となり、さらに、2等が1等に、3等が2等に変更となり、「ロ」=新しい1等、「ハ」=新しい2等を表わすようになる。そして、1等がグリーン車と改名、2等は普通車となり、現在、「ロ」=グリーン車、「ハ」=普通車を表わすこととなった。

したがって、
「モハ」=モーターつき車両の普通車
「クモハ」=運転台があり、モーター付きの普通車
「サロ」=モーターなし車両のグリーン車
という意味である。

また、「ネ」=寝る=寝台車という意味なので、「クハネ」=運転台つきのB寝台車(寝台車でAはグリーン車に相当するランク、Bは普通車に相当するランク)となる。「サロハネ」=モーターなしで、1両のなかにA寝台とB寝台が並存している車両のことである。
キハ

キハはディーゼルカーの普通車。ちなみに行先標示板のことは「サボ」という


一方、「キハ」の「キ」は気動車(ディーゼルカー)のこと。「キハ」=普通車のディーゼルカー、「キロ」=ディーゼルカーのグリーン車である。なお、ディーゼルカーは、特急用などごく一部をのぞいて、運転台がついているので、電車のように「ク」という記号は使わない。また、ほとんどの車両に動力(エンジン)がついているので、「モ」や「サ」で区別することもなく(まれにキサハという車両がある)、「キハ」といえば、運転台も動力もついている。

ところで、2017年6月にデビューしたJR西日本の豪華列車「トワイライトエクスプレス瑞風」は、基本はディーゼル車両なので、各車両の形式記号は「キ」で始まる。そして、グリーン車よりグレードの高い豪華車両ということで、「ロ」よりワンランク上の「イ」が復活し、「キサイネ」のような形式が表示されている。「キサイネ」とは、車両に動力がない(サ)豪華客室(イ)で寝台付き(ネ)という意味である。
キサイネ

瑞風の寝台車は「キサイネ」


編成の前後のある展望車は、動力車でもあるので、「サ」はつかず「キイテ」。「テ」は展望車のことである。また、ラウンジ車には、新たに「ラ」の形式記号が設けられ、「キラ」となった。

<参考>
豪華クルーズトレイン「瑞風」の全貌と乗車レポ
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