由緒正しい中華スイーツ・杏仁豆腐
杏仁豆腐は、宮廷料理の最高峰・満漢全席で供されていた逸品!
杏仁豆腐の誕生と歴史
杏仁豆腐の歴史は古く、三国志で有名な三国時代(220~280年)まで遡れるとされています。当時、董奉(とうほう)という医師がいました。華陀、張仲景と共に「建安三神医(後漢の建安に活躍した3人の名医)」と称されています。董奉は、廬山(中国南方の江西省九江市南部にある名山)で、毎日多くの病人を治療しましたが、治療費は受け取らず、「もし治ったら、杏子の木を植えてください」と言いました。董奉のおかげで元気になった人々は、杏の木を植えていきました。そして、いつのまにか杏の木は数十万本にもなったとのこと。
この伝説から、「杏林」が道徳の高尚な医者の代名詞となったのですが、実は、杏仁豆腐も、「董奉の杏林の杏種で生み出した」と言われています。その美味しさは全国的に広まり、宮廷にも伝わりました。そして、清代には宮廷料理の最高峰「満漢全席」のデセールとして、皇帝や妃たちに供されるまでになったのです。
杏仁豆腐の効能、健康・美容に効果的!
ひんやり冷たい杏仁豆腐は、昔から健康と美容に良いとされてきました。実際、杏仁には、美容効果のあるとされる各種脂肪酸――オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸など――のほか、ビタミンB群、鉄分、カルシウムが豊富に含まれています。ただし、こういった効能があるのは、杏の種肉の粉“杏仁パウダー”を使って作った杏仁豆腐だけ。最近よくあるアーモンド粉や香料で作ったものは、残念ながら本物ではないのです。
杏仁豆腐は北方と南方で違う!?
南方の杏仁豆腐は北方よりもミルキーで、口の中でホロリとほぐれるやわらかタイプ
なぜそういった差があるかと言うと、北方は凝固に寒天を、南方はコンスターチを使っているからなんです。大きく分ければ、北京や上海は北方タイプ、広州は南方タイプですが、訪れる地域によって味付けやトッピングなど、細かく違いがありますので、複数都市訪れるチャンスのある方は、ぜひ食べ比べをしてみてください。
杏仁豆腐を食べられるお店
杏仁豆腐はレストランや甜品店(デザート店)で食べられますが、扱っていない店も少なくありませんので、杏仁豆腐が目的の場合は店員に「這里有杏仁豆腐【口馬】?/チェーリ ヨウ シンレンドウフ マ?」と聞いてみましょう。台湾系レストランや香港式カフェレストラン「茶餐廳」は扱っていることが多いですね。また、最近ではスーパーでも売っています。杏仁豆腐を作ってみたいという方「【肺を潤すデザート薬膳レシピ】カンタン杏仁豆腐」に本格杏仁豆腐のレシピが紹介されています。ぜひトライしてみてくださいね!
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