なぜかお金が寄ってくる人の特徴<10>:お金持ちは“個性”ではなく“違い”を出す
相手に関心を持たれる伊藤さんの服装の例
「最初は、自分の話なんて絶対にしません。だってそうですよね。見ず知らずの人が来て、いきなり自分のことをしゃべり出したら迷惑だな、と感じますよね。だから、最初は相手の話をひたすら聞く。それだけです」
で、そのうち相手がふとこちらに興味を見せ、「ところで君はどんな仕事をしているの?」と聞かれたら初めて自分の話をするとか。
「人から聞かれて、ようやくそこで土俵に乗せてもらったわけです。で、これまで相手の話を聞いて相手が何を欲しているか、どんなものに興味がありそうか、おおよそ見当を付けていますから、それに合わせて話をする。それでようやく会話が成り立つんです」
「相手は自分になど興味がない」。自虐的にも思えますが、それくらいでちょうどいいと伊藤さん。
「この話に興味があるかな? 退屈していないかな?」
……つねに相手の顔色を見ながら会話を進める。
「恐怖心と緊張感こそが人と向き合う時には大切だと。いきなり自分の話をする人もいますが、どうしてそんなに自信が持てるのかが不思議です」
突っ込みどころ満載の“ボケ人間”がお金に好かれる
とはいえ会話では最初は自分を出さない伊藤さんですが、服装では大いに目立つことを心がけています。なんと上下が赤のスーツに蝶ネクタイも珍しくありません。絶対に他の人がしない格好をするのが伊藤流です。「ようは相手が突っ込みやすいようにする。実際『派手な格好だね』とそれだけで契約に至ったこともあります(笑)。ただ、こういう格好を個性だと思っていません。人と違うこと、差異を出すことで突込みどころを作っている。つまりボケているわけです」
伊藤さんによれば個性などという自己主張は他人からしたら関係ないこと。「だから?」で終ってしまいます。“個性”ではなく“違い”を出す。他の人から見て「あれ? ちょっと違うな」という興味を持ってもらうことが大事。それは自分を出したり主張することではないと伊藤さんは言います。
突込みどころ満載の“違い”を出すことで、相手に面白がられる。そういう人に人が集まり、お金が集まるのです。
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教えてくれたのは……
伊藤喜之さん
1981年、愛知県生まれ。大学時代にベンチャー企業「アライブ」の立ち上げに参加。その後商社の営業マンとして就職するも成績が振るわず倉庫番に回される。すべてに挫折した経験から一念発起、副業でDJイベントをしながら無休で働き、CDショップにイベントの営業やラジオ局で営業。その働きが認められ元バイト先の「アライブ」社長に誘われ同社で働くことに。飛躍的に営業成績を上げ、2008年同社取締役に。現在の年収は2000万円を超える。
主な著書に『バカでも年収1000万円』(ダイヤモンド社)
取材・文/本間大樹 イラスト/竹松勇二 パネル・図版/引間良基