1本で日本株、米国株、新興国などに投資できる!
ETFで分散投資が可能に
「代表的な指数や商品価格などの値動きに連動するように運用されるため、たとえば日経平均株価に連動するETFを買うことで、日経平均株価を構成する全銘柄を保有するのと同じ効果が期待できます」
ETFに詳しいカン・チュンドさんは、こう説明します。
加えて、1本のETFで幅広く分散投資できるため、1つの銘柄に集中投資することに比べてリスクを軽減できるという効果も期待できます。
「一般の投資信託の基準価額は1日1回、取引終了後に算出されるため、買った時点ではいくらで買えたのかがわかりません。これに対してETFは、株式市場に上場し、一般の株式と同じように売買されるので、取引時間中は株価が変動します。また、指値注文も成行注文もできるので機動的な売買ができ、いくらで取引したかもすぐにわかります。一般の投資信託に比べて保有期間中かかり続ける信託報酬が安いという特徴もあります」(カンさん)
2013年5月7日現在、東京証券取引所には119本のETFが上場しています。
「日本株に投資するものから、アメリカや中国、インド、ブラジルなど海外の個別国に投資するもの、先進国株全体、新興国株全体、世界株式全体、先進国債券、新興国債券など広く分散投資するもの、国内外のREITやコモディティに投資するものなど、さまざまなETFがあります。個別株の場合には、業績を確認する必要がありますが、ETFならば『日本株が上がりそうだ』とか『新興国が成長しそうだ』というマクロの視点で投資対象を選ぶことができます。しかも、東証に上場するETFの8割程度が10万円以下で投資できますから、投資初心者でも気軽に挑戦できるのではないでしょうか」(同)
次はETFの素朴なギモンに答えてもらいます
教えてくれたのは……
カン・チュンドさん
晋陽FPオフィス代表 ファイナンシャル・プランナー(CFP)
不動産会社勤務を経て、2000年7月に晋陽FPオフィスを設立。開業以来900名を超えるお客様から資産運用、ポートフォリオ構築に関する相談を受け、固定観念に縛られないアドバイスを行っている。著書に「日本人が知らなかったETF投資」(翔泳社)など。
監修/カン・チュンド(ファイナンシャル・プランナー) 取材・文/大山弘子
イラスト/竹松勇二 パネルデザイン/引間良基