マンション購入術/マンション購入関連情報

「2019年問題」 日本の世帯総数は2019年から減少へ

住宅市場では「2019年問題」が新たな懸念材料となりつつあります。日本の世帯総数が2019年をピークに減少に転じることで、以後、住宅需要も減少し、住宅不況を招かないか不安視されています。すでに人口総数が減少し始めている中で、さらなる打撃を受けかねません。一体、どう対処すればいいのか、不動産各社の動きが気になります。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

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底入れ感が強く感じられた2013年の公示地価

「地価の回復傾向が、より鮮明になった」―― 3月21日に国土交通省から発表された2013年の公示地価からは、地価の下げ止まり傾向が見られました。依然、全国的には下落基調(5年連続で前年比マイナス)であるものの、下落幅は縮小し、底入れ感が強く感じられる結果となりました(下図参照)。

タワーマンション建設をはじめ、駅前再開発が進む「神奈川県川崎市(武蔵小杉)」の住宅地や、東京スカイツリーの開業による集客効果期待で東京の「墨田区押上」や「台東区浅草」の商業地が上昇するなど、地域の活性化が見られ、人々の賑わいがあるエリアに上昇地点が多く見受けられます。

東京23区の地価動向(住宅地)の特徴として、調査元の国交省では「住宅ローン減税や贈与税減税の後押しで、一戸建て・マンションとも市況は堅調」「マンション用地の価格は堅調なエンド市場に支えられており、おおむね安定的に推移」と説明。さらに、「湾岸エリアはタワーマンションの大量供給が始まったことから供給過多との指摘はあるものの、沿岸部ではマンション適地が品薄なことから価格は堅調」と、マンション需要の底堅さを指摘しています。この流れが続けば、地価が反転上昇する日はそう遠くなさそうです。

地価公示の変動率の推移

 
 

2035年 わが国の高齢化率は約33%、3人に1人が高齢者の時代へ 

しかし、手放しで喜べない側面もあります。高齢化の進展はとどまることを知らず、しかも1人暮らし高齢者が増えることで、住宅投資の潜在需要は拡大が期待しにくい状況です。当然、地価上昇も期待しにくくなります。

2011年度の首都圏白書では『老いる東京圏』と題し、「今後は首都圏(1都3県)でも高齢化率の上昇および高齢者人口の大幅な増大が予想されており、その対策は喫緊の課題」と警鐘を鳴らしています。総務省の人口推計によると、2011年10月1日現在、わが国全体の高齢者人口は過去最高の2975万人に達し、高齢化率(高齢者人口の割合)は23.3%にまで高まっています。すでに、およそ4人に1人が高齢者というわけです。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、日本の高齢者人口は2035年に3724万人にまで増大するとされています。高齢化率は約33%に達し、3人に1人が高齢者の時代となります。特に首都圏の郊外部では高齢化が深刻で、高齢化率が4割に達する地域が多数発生すると予想されています。

高齢化の進展で高齢者向け住宅の市場は拡大するでしょうが、住宅市場全体の規模拡大は望めません。マイホーム購入の主役は30~40歳代の人々だからです。高齢者の増加は地価上昇の阻害要因にもなり、住宅各社は限られたパイ(顧客)を奪い合わなければなりません。現在、マンション需要が底堅さを見せているからといって、こうした好調ぶりが永久に続くとは限りません。

そうしたなか、追い討ちをかけるように、6年後には「2019年問題」が待ち構えています。住宅市場は致命的な苦境に追いやられようとしています。はたして「2019年問題」とは何なのか?―― 次ページで詳しく解説します。

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