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ウィークリーマンションとマンスリーマンションの違い
マンスリーマンションと、ウィークリーマンションは、全く異なる契約になります。実は、マンスリーは、いわゆる賃貸契約に近く、ウィークリーは、ホテル業に近いものなのです。この区切りは、実は、明文化されていないのですが、厚生労働省の通達では「1~2週間程度という1か月に満たない短期間」ということを理由に旅館業に該当するとしています。「一カ月」というところが目安です。こうした理由で、私が以前仕事をしていたスーモという住宅情報のサイトではマンスリーマンションを取り扱い、じゃらんという旅行サイトのほうにウィークリーマンションが掲載されています。ウィークリーマンション……ホテルに長期滞在するよりお得!
さて、あなたが、「東京に一週間行きたい」と考えたときに、ホテル代がかなりかかってしまいます。こうした長期の観光だけでなく、受験や長期出張などのケースでは、ホテルは割高です。こうしたケースでウィークリーマンションはお得です。借りる側は、ホテルを借りるときの感覚で、保証人や初期費用は不要です。ホテルとは異なり、長期滞在を前提としていることもあり、キッチンもあります。ここはメリットです。一方、ホテルよりも割安なので、シーツを毎日交換してくれたり、掃除を毎日してくれたりはしません。シャンプーやタオルも自分で用意です。また、入居時か退去時に清掃代を取られるという契約が通常です。一週間未満であっても日割り計算で、旅館業にのっとり、一泊からの利用が可能です。
マンスリーマンション……一か月以上の滞在におすすめ
マンスリーマンションは、一カ月以上の滞在用です。実は、4週間以上ウィークリーマンションでも契約することは可能で、マンスリーとウィークリーの違いは、借りる側には大差がなく、同じ会社がやっているケースもあります。しかし、ウィークリーマンションの経営をするには、旅館業法を守り、旅館業として許認可が必要です。一方、マンスリーは、旅館法ではなく、賃貸の契約になります。賃貸業に沿って事前申込や入居審査が必要になり、保証人も必要となることがあります。こうした違いは、上の表のように分けてみることができます。この図を見ると、マンスリーとウィークリーで線が引けるともいえるのです。マンスリーマンションは家具付きですぐ生活できて魅力的!
実は、私は、一年半、マンスリーマンションに住んでいました。その最大のメリットは家具付きですぐ生活できたところ。週の半分が出張先で、週の半分が自宅という変則的な生活だったので、ホテルでは高くつくので、マンスリーを借りたのです。当時は転勤も多く、いつ自宅勤務に戻ることになるか、わからなかったのです。でも、家具つきなので、もしそうなっても家具が無駄にならない。契約した日から生活が出来て、解約もスムーズ。とても便利でした。テレビ・ベッド・冷蔵庫・掃除機・洗濯機・ズボンプレッサー・電子レンジ・ヤカン・目覚まし時計などがついていたので、営業カバンひとつで移動できました。マンスリーマンションは長期滞在の拠点にもなる
マンスリーマンションを経営する株式会社月極倶楽部の倉橋社長によると、利用者は多様。高級マンスリーマンションは、外資のエリート社員が日本滞在の拠点とすることがあるそうだが、安いマンスリーマンションは、学生の受験期間や留学生の利用も多いそうだ。なかには、首都圏にしばらく滞在して、今日は渋谷、明日は新宿と楽しみ、雨の日は無理して出掛けずマンスリーマンションにそのままいて、翌月には地元に戻る、という人もいるという。住まい方、遊び方、働き方が多様になっている証拠なのでしょう。住民票の移動は?
短期滞在型を前提としている為、住民票の移動はできないというケースがあります。マンスリーマンションで長期契約をしている場合は、住民票の移動が可能で、郵便物の送付なども、通常の賃貸契約と同様にできます。詳しくは契約時に聞いてみましょう。問題のある入居者がいなくなる
さて、図の「4」の部分。ここも大切です。通常の賃貸は、借地借家法という法律で、借り手の権利は強く守られています。この法律では、よほどのことがないと、賃貸契約の更新を拒絶したり、解約を申し入れたり、退去を迫ったりするのは難しい法律なのです。昨今では、家賃を不払いしていたタレントをなかなか退去してもらうことができず、同じくタレントの大家さんが困ったという報道がありましたね。これがホテルであれば、滞在費を滞納する人やルールを守らない人は、宿泊客としてはお断りすることが可能です。ウィークリーマンションは旅館業法の範疇ですから、滞納者やルールを守らない人は更新してもらえません。ということは、それだけ健全な環境が保たれやすいともいえます。なにしろ、ルールを守らないと追い出されてしまうのですから。
マンスリーマンションの場合は、旅館業法ではありませんが、通常の借地借家法でもありません。「一時使用目的賃貸借」として,「期間限定である」ということがはっきりと明文化されている契約になっており、定期借家権法の範疇になります。出張中の賃貸物件を期間限定で貸すといった定期借家契約賃貸と同様に、期間を限定しての契約で、やはり、滞納者やルールを守らない人は更新してもらえません。夜中に騒ぐ、ゴミ出しのルールを守らない・・・ならば更新しないかも、となると、守っている人にとっては健全な環境が維持されやすいとも言えます。
ウィークリーマンション、マンスリーマンションの賃料の違い
では、気になる賃料はどうなのでしょうか?例えば、前出の月極倶楽部のケースだと、都内25平米のワンルームマンションの場合、マンスリーマンションだと月額11万5,000円。一泊6000円のホテル(というのもなかなかないのだが)と比較したら、ホテルは30日で18万円ということになるので、かなりの割安です。しかし、この物件は通常賃貸の家賃だと7万5,000円。マンスリーマンションは4万も高いのですから、「マンスリーは通常賃貸と比べたら割高だなあ」と感じますが、果たしてそうでしょうか?
というのも、通常賃貸であれば、初期費用がかかるのです。敷金や礼金といったものです。月極倶楽部の試算によると、年間のコストは、マンスリーマンションが140万1,000円に対して、通常賃貸は141万5,000円。マンスリーマンションのほうが割安なのだ。しかも家具付き。一年であれば、マンスリーマンションが有利です。
二年で計算すると逆転する。マンスリーマンションが278万1,000円に対して、通常賃貸は244万5,000円。つまり、二年以上住むなら、通常の賃貸契約の方が安いのです。
これは「初期費用がかからない」というところが影響しています。ただし、「○○会員費」などがかかることもありますので、契約内容はよく確認してください。
マンスリーマンションは、通常賃貸と混在していることも
実は、マンスリーマンション経営やウィークリーマンション経営は、景気の変動を受けやすいのです。長期出張や海外からの出張などは、リーマンショック直後に大きく減り、ウィークリーマンションの大手企業の倒産などもありました。長期入居の見込める賃貸経営に比べると、リスクが高く、ある程度資金的に耐えられる会社でないとできないビジネスともいえるのでしよう。そうした一方で、通常賃貸契約とマンスリーマンション契約、時にはウィークリーマンションでの契約も、契約方法のひとつとして、メニューとして取り揃えて対応している会社もあります。私が以前入居していた物件も、通常賃貸の人もいれば、マンスリー契約の人も、ウィークリー契約もいました。一棟の中で、さまざまな契約形態があるというのは、こうしたケースです。こうしたことも知っておくと、皆さんの物件選びの幅が広がりますね。自分のライフスタイルや、居住期間などにあわせて、物件選びをしていきましょう。
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