「電気でもガソリンでも走れる」アウトランダーPHEV
アクセル開度の少ない状態だと、ホントに静かな「アウトランダーPHEV」
売れ行き好調の「電気でもガソリンでも走れる」アウトランダーPHEVの量産車に試乗した(以前紹介したのは最終試作車)。結論から書くと「素晴らしい!」。最終試作車も上々の仕上がりだったけれど、量産車になって一段と上質感が高くなっている。ハンドル握ったたら欲しくなるだろう。
例えば乗り心地。最終試作車は平均的な日本車と同じで、安っぽかった。路面の微少なデコボコを伝えてしまう感じ。静粛な電気自動車モードでもゴツゴツしていたので、高級感無し。しかし量産車になって大幅に進化している。乗り心地良いと言われる新型クラウンと比べたって負けていない。
路面の継ぎ目など大きな段差を乗り越えた時の“いなし”の味も上々。SUV車というより、国産全てのクルマの中で乗り心地の上質感は2番手としておく(1位は日産リーフ。このクルマのサスペンションもしなやかで好ましい)。今まで輸入車に乗っていたような人ですら納得出来るだろう。
加えて静か。電気自動車モードで静かなのは当然である。驚くことにエンジン掛かったことが解りにくい。アウトランダーPHEVの走行モードは3つ。標準状態だと1)電気が無くなるまで電気自動車。無くなったら自動的に2)エンジン始動し、発電しながら走るハイブリッドモードに。ちなみに減ったバッテリーをエンジンで充電しながら走るのが3)充電モード。3つ目は特殊な使い方なのでコッチに置いておく。問題はハイブリッドモード。エンジン掛かったり止まったりして煩雑でしょうね、と思っていたら、そんなことない。前述の通りエンジン掛かったの、解らないのだ。
もちろんアクセル全開にすればエンジンも高回転になってフルパワーを出そうとするので、それなりの音を出す。でもアクセル開度の少ない状態だと、ホントに静か。試乗日が雨だったこともあり、全神経を集中させても始動時の音や振動は感じ取れなかった。見事である。
ジェントルに走っていれば、ハイブリッドモードだってエンジン音が聞こえないのである。もちろん振動だって無し。これには軽い衝撃を受けた。6気筒や8気筒エンジンを搭載しているSUVより静かなのだから。この点だけを持ってしてもアウトランダーPHEVを選ぶ理由になるだろう。
ECOなSUVと言えばクリーンディーゼルを搭載するマツダCX-5というチョイスもあるけれど(エネルギー費用を考えればほぼ同じくらいの生涯コストになる)、乗った感じが両極端。ドチラがいい、という基準は人によって違うだろうから、ぜひとも乗り比べてみたらいいと思う。
気になる2013年度の補助金は間もなく発表される。現時点で詳細を掴めていないけれど(自動車メーカーも解らないそうな)、アウトランダーPHEVについて言えば今までと同等になるようだ。気になる人はディーラーで試乗して欲しい。補助金が決まったら購入を考えればいいだろう。