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レクサスLSに試乗してわかったこと

国産で最も高価なセダンであるレクサスLSに試乗してみた。その乗り心地やいかに!?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

乗り心地が一段と良くなっている「レクサスLS」

少しばかり時間が経ってしまったけれど、フロント部分を一新しただけでなく、iPadより遙かに大きいサイズを持つ液晶画面の採用などインテリアまで大幅に変更。フルモデルチェンジと言ってもおかしくないマイナーチェンジした、国産で最も高価なセダンであるレクサスLSに試乗した。

LS460“version L”(レッドマイカクリスタルシャイン) L-Select

LS460“version L”(レッドマイカクリスタルシャイン) L-Select


外観は写真を見ていただければ解る通り最近のレクサスの共通テーマである
「スピンドルグリル」(糸巻き型)を採用。デザインレベルが高くなったのか、それとも見慣れてきたせいか、大きな違和感なし。一新されたリアコンビネーションとのバランスも良好。成功したと思う。

インテリアは先行発売発売されているレクサスGSと同じく12~13インチの大型液晶画面がナビの位置にド~ンと置かれている。センターコンソールも新しい世代のレクサスと共通のイメージになり、ドライビングシートに座るとマイナーチェンジ前と違うクルマのように感じるほど。

エンジン掛けて走り出すと、乗り心地が一段と良くなっている。LSは前回のマイナーチェンジで足回りを抜本的に見直し、初期型から飛躍的に良くなった。今回のモデルを後期型とする。中期型の乗り心地が100点なら、初期型は40点。マイナー後のモデルは120点という感じ。

多少甘めに評価するなら、BMWの乗り心地に肉薄したと思う。初期型のユーザーがマイナーモデルに乗ったら、乗り心地の良さに心底タマげるハズ。中期型と比べても質感高い。ただスポーツグレードを選ぶと、多少硬く感じるかもしれない。アクセル全開で走るんじゃなければ標準仕様をすすめたい。

BMWを目標に開発したためなんだろう。残念なことに「レクサスの味」というモノが薄くなってしまった。1990年に登場した初代LSは、ベンツやBMWを圧倒する静粛性や乗り心地の良さを実現していた。チーフエンジニアがベンツやBMWと違う魅力を持つクルマを作ろうとしたからだ。

素晴らしいクルマに仕上がったLS460のハンドルを握りながら「あえてLSを選ぶ理由」など考えてみたけれど、ベンツSクラスやBMW7シリーズの方が濃いキャラを持っている。このあたりで「レクサスの魅力って何?」ということを考えるべきなのかもしれない。

LS460“F SPORT”(ホワイトノーヴァガラスフレーク)※LS600h“F SPORT”、LS460“F SPORT”専用色

LS460“F SPORT”(ホワイトノーヴァガラスフレーク)※LS600h“F SPORT”、LS460“F SPORT”専用色


ちなみに日本でレクサスを売り始めた時、レクサスのブランドイメージ担当の人は「正直な高級車を作ります」と言っていた。同じクラスのトヨタ車より300万円高い値段を付けるなら、300万円分を全てクルマ作りのために使う、ということ。普通の高級車って内容以上に高い値段を付けている。

その精神を貫けば素晴らしいクルマが出来るかもしれない、と当時は考えた。しかし!新しいLSに採用された緊急停止ブレーキの価格を見て驚く。 スバルのアイサイトなら10万5000円で買える機能とほぼ同じ(勝ったり負けたり)。なのに105万円(!)だって。正直な高級車はいずこへ?


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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