レシフ(560円)
「Recif(レシフ)」は、香ばしいヌガーのクリームと苺、ピスタチオのブリュレをマカロンでサンドしたケーキです。中のクリームとの甘さのバランスを取り、酸味のある苺を選んで使っています。そのため、苺の美味しい春限定のケーキとなっています。「レシフ」は「珊瑚」の意味。なるほど、白いマカロン生地に赤い苺、フォークを入れると中から現れる緑の色彩が、まるでサンゴ礁のように華やかです。濃厚なピスタチオやヌガーの香ばしさに苺の爽やかさが好相性で、私も東大阪時代から好きなケーキの一つでした。
実は、竹内シェフが修業されたパリの名店「アルノー・ラエール」に同名のケーキがありますが、こちらはチョコレートケーキで、全く異なるものなのです。同じ名前でも、パティシエの感性により、全く違うケーキになるというのも面白いですね。
ジャポネ(420円)
いわばリョーコ風のショートケーキ。あえて「Japonais(=日本の)」という名前を付けたのは、フランスの苺の定番ケーキに「フレジエ」というお菓子があるため。その「フレジエ」はアーモンドのスポンジにカスタードとバタークリームを合わせたムースリーヌと苺を挟んだ濃厚な旨味のあるケーキで、リョーコでも春には作られます。それに対して、日本で生まれたと言われる生クリームと苺のショートケーキをリョーコが表現すると、こんな形となりました。誰にでも食べやすい味でいて、リョーコらしさが現れているのは、まずスポンジの濃い黄色。大阪時代から取引をしているという信頼できる業者さんから届く新鮮な卵を使用。配合も卵黄が多く、しっとり、むっちりと弾力のある生地で、しっかりと存在感があります。また、生クリームも濃厚で乳脂肪分のしっかりと感じられる味わい。間に挟まれたフランボワーズのジャムの甘酸っぱさがアクセントになっています。
リョーコでも特に人気の高いケーキですが、大阪時代からずっと、挟むクリームや、木苺ジャムをどの部分に塗るかなど、試行錯誤を繰り返し、常に美味しく進化し続けてきました。間に挟まれた苺はクリームになじんで食べやすい薄切り。上に乗った苺はごろっと丸ごとサイズ。苺の食感の違いも楽しんでほしいポイントです。
ココ(530円)
「Coco(ココ)」は、黄色と白のストライプ模様が華やかなケーキ。ホワイトチョコレートベースにココナッツのミルキーな味わいとカスタードのやさしい甘さが印象に残ります。タルト・フロマージュ(420円)
フランス産のクリームチーズを使用。バニラの香りがアクセントとなった濃厚なチーズのアパレイユを流したタルト。ベイクドタイプですが、まったりしたレアチーズのクリームをも思わせる、しっとりなめらかでクリーミーな口どけです。キャラ ドゥ(520円)
土台はサクサクのサブレショコラ。薄くチョコレートでコーティングされた中に、とろりとした塩キャラメルが隠れています。チョコレートのビスキュイ、なめらかなチョコレートムースを重ねています。全体はチョコレートとキャラメルのガツンと濃厚な味わいの中で、少しずつ異なる食感や味を楽しめます。きりっとした塩味がアクセントとなり、想像以上にすっと喉を通るのが不思議。思わずはまって又食べたくなる味です。それでは次のページで、焼き菓子もご紹介!
そして、慣れ親しんだ大阪から東京へ、お店の移転に至った思いについても、竹内シェフにお伺いしました。