ELEPHANT FACTORY COFFEEの姉妹店が東京に誕生
店舗は三軒茶屋の南口にのびる「なかみち街」の一角。
エレファントファクトリーは珈琲と読書の愉しみに満ちた空間があまりにも魅力的なために、初めての訪問客を100パーセント迷子にさせるとんでもない立地さえも、見どころのひとつに変えてしまいました。それは河原町の繁華街の入りくんだ路地裏の一角、怪しげなビルの急階段をのぼったところにあります。
床の一角には、時を経て黄ばんだ楽譜がちらばって。
そして、古ぼけた建物の2階に通じる危なっかしい階段をコトコトのぼっていくころには、もう嬉しくてにやにやしてしまうのです。
壁の粗い凹凸や、モノたちの錆びた質感も大きな魅力。
いくぶん廃墟めいた美しい色彩の印象を決定づけているのは、どこか北方の砂浜で潮風にさらされて色褪せたような風合いの床板とカウンターで、奇跡的にも、象工場に使用したものと同じ木材――おそらくかつては北米の工場の床板だったものが調達できたのだそうです。
店主、高橋美賀さん。開店前に京都店で1週間、実地訓練をしたそう。
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