石工がたくさん住んでいたから「石切橋」
石切橋(いしきりばし)の橋のたもとに説明書きがあった。このあたりに石工(いしく)がたくさん住んでいたから、石切橋と呼ばれたという説があるけれど、定かではないそうだ。また、明治中期の記録によれば、かつては木の橋で、長さ15m、幅が5m強あり、このあたりではいちばん大きな橋で、当時は「江戸川大橋」と呼ばれていたとのこと。さて、この橋を渡ったところにうなぎ屋がある。上の写真でも見えているビルに挟まれた日本家屋が「はし本」さんである。橋をめぐるお散歩にふさわしい店名だ。
暖簾には創業天保6年とある。1936年、幕末だ。坂本龍馬が生まれた年である。いかにこのお店が古いかがわかってもらえるだろう。そんな老舗だが、敷居は高くない。ごく普通の鰻屋さんなのだ。
鰻重の並2250円をいただいた。美味しいねぇ。きも吸250円もうまい。幕末から変わらぬ味の鰻重を提供しているのかと思うと、それだけでも感慨深い。明治維新、日清日露の戦争、関東大震災、第二次世界大戦を経て、平成の今日までやっているというのもすごいことだ。川も橋もまた昔からここにある。それもまた不思議だが、こうして舌で時代を味わえるのも楽しい。