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少子高齢化時代の住まいと家計~3世代協力家族(2ページ目)

少子高齢化社会の日本の中で、共働きを前提としたライフプラン・マネープランを実現するために必要な住まい方、家計のあり方とは? 最近、再度見直されている「3世代同居」とともに、ガイドがオススメする「3世代協力家族」について紹介します。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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3世代同居は、やっぱり小数派?

■3世代同居は共働きをサポートする

3世代同居なら、育児・介護も大丈夫?

3世代同居なら、育児・介護も大丈夫?

3世代同居は、子育て、介護などの共働きを継続する上で支障となる問題を親、子、孫の3世代で分担することができる点でメリットはあります。下のグラフは、3世代が同居する世帯の割合を都道府県別に調べたものです。「共働き率が高い順」に左から並べてみました(全国平均を除く)。赤く囲んだ県は、共働き率が50%以上の県です。実際に共働き率の高い県の傾向を見ると、3世代同居の割合も高いことがわかります。その点を考えると、3世代同居も選択肢の一つになりそうです。

※「都道府県別三世代世帯の割合」(国民生活基礎調査2004)を元にガイドがグラフ作成

※「都道府県別三世代世帯の割合」(国民生活基礎調査2004)を元にガイドがグラフ作成

■完全な同居より、プライバシーやライフスタイルを配慮できる2世帯住宅
ところが実際に、3世代同居をする割合は少ないのが現実です。下のグラフは、親の世代が持ち家で、親の年齢ごとの子どもの住まいの距離の関係を示したものです。

「一緒に住んでいる」(完全な同居)割合は、親の年齢が上がるに従って増えていますが、親が75歳以上の場合でもわずか1.6%にすぎません。「同じ建物又は同じ敷地内に住んでいる」(2世帯住宅や同じ敷地内の別棟、同じマンションの別部屋など、広義の同居)割合は、親の年齢が75歳以上の場合7.5%で、完全な同居と合わせると、1割近くに達しています。

完全な同居だと、親の世代も子どもの世代もお互いに気を遣う必要があり、敬遠されているようです。2世帯住宅の場合、同居には変わりありませんが、間取りの取り方によって、お互いのプライバシーが保たれるようにしたり、生活時間の異なる親世代と子ども世代のお互いのライフスタイルを保てたりするような設計にすることで、精神的なデメリットよりも同居するメリットを多く享受できるように工夫することができようになっています。

※「平成20年住宅・土地統計調査」(国土交通省)より、ガイド平野が作成

※「平成20年住宅・土地統計調査」(国土交通省)より、ガイド平野が作成

■同居より近居が主流?
2世帯住宅にする場合、ある程度の敷地面積が必要になるので、都心部では、気軽に2世帯住宅を建てられないことが、2世帯住宅がなかなか普及しない一因になっていると考えられます。また、2世帯住宅にした場合でも、親の介護が終わった後を考えると、その後の住宅の活用方法がネックになっているとも言えます。そのため、親の介護という視点で考えると、「徒歩5分程度の場所に住んでいる」、「片道15分未満の場所に住んでいる」というように、適度な距離を置いて住む「近居」を選択する人が多いようです。

「同居」に比べて「近居」の場合、世帯の独立性はより高くなりますが、家事・育児の協力度は、やや低くなりかもしれません。緊急の時に助け合うという関係を期待するのであれば、「近居」の方が選択肢となるでしょう。


>>少子高齢化時代の住まいと家計のあり方、3世代協力家族とは?
 

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