世界進出が加速するVOCALOID
リリースされたのは2007年だというのに、その勢いはどんどんすごくなってきているVOCALOID 2。日本だけの現象なんだろうと思っていたら、初音ミクは海外進出を始めて、海外でのコンサートも大盛況。ついには2011年6月22日、アメリカのiTunesストアの「World」カテゴリで、あの「メルト」が収録された「supercell feat. Hatsune Miku」がチャート1位にランクインした(ITメディアの松尾公也さん談:普通の日本のiTunesのアカウントではアメリカのiTunesストアの音楽ダウンロードのところにアクセスできません)というのですから、まさに留まるところを知らない感じです。ちなみに、アメリカのAmazonのMP3ダウンロード販売のチャートを見ると、6月23日現在「Supercell Feat.Hatsune Miku」は2位にランキングされているようです。
その初音ミクに代表されるVOCALOID 2ですが、ついにバージョンアップされてVOCALOID 3になることが発表されました。すでに私もAV WatchのDigital Audio Laboratoryの記事やDTMステーションの記事で書いていますが、結構情報量が多いので、ここではその概要をまとめてみたいと思います。
エディタとライブラリが分離され9月末より発売開始
まずVOCALOID2とVOCALOID3の大きな違いとなるのがシステムの構成です。これまで初音ミクなどのVOALOID2をインストールすると、VOCALOID Editorとデータベースである歌声ライブラリの双方が入り、VOCALOID2として使えるようになっていました。ただ、さらに鏡音リン・レン、Lily、猫村いろは……とインストールする場合も、上書きの形でVOCALOID Editorがインストールされるようになっていました。逆にいえば、すでにVOCALOID Editorは持っているから不要、という人でも新しいVOCALOID2製品を買うたびに、VOCALOID Editorのライセンスも含めて買わなくてはならない仕組みになっていたのです。
それが今回VOCALOID3になり、VOCALOID3 Editorと歌声ライブラリは別々の製品となります。具体的な価格についてはアナウンスされていませんが、エディタ単体が1万円程度になるのではないか、と私自身予想しているのですが、どうでしょうか…。発売は9月末になるとのことです。