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ゲーム屋さんにはWiiよりPS3が大事?

2010年の据え置きゲーム機のソフト販売本数シェアは、Wiiがトップ、続いて僅差でPS3、そしてぐっと落ちてXbox 360となっています。しかし、街のゲーム屋さん、特にゲーム専門店では、WiiよりもPS3の方がずっと稼いでいるんです。ゲーム屋さんから見た、ゲームソフト市場というのは、ちょっと違った景色に見えるようです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

Wiiの方が売れてるけど、PS3の方が儲かる?

ゲームハード達の図

2010年のゲーム業界は、ゲーム専門店の人にはどう感じられるのでしょうか?

2010年のゲームソフト市場を振り返ってみると、ニンテンドー3DS(以下3DS)の発表があり、ハード末期を迎えたニンテンドーDS(以下DS)の売り上げが落ちるも、ソフト販売本数における市場規模としてはトップを堅持。そこにモンスターハンターポータブル 3rdで劇的に数字を伸ばしたPSPが追随と、とにもかくにも日本のゲーム機市場は携帯ゲーム機が強い、という1年でした。

一方、据え置きゲーム機のソフト販売本数におけるシェアはどういう感じかと申しますと、Wiiが大型タイトル不足で販売本数を落としながらもトップを維持。しかしPlayStation3(以下PS3)が猛追して差を縮めながらの2位、ぐっと落ちてXbox 360が3位と、このようになっています。随分前からこの順番なので、やっぱりか、という感じかもしれません。

しかし、街のゲーム屋さん、特にゲーム専門店にとってはこのWiiが1番、PS3が2番という数字はあまり意味を持っていません。2010年でいうと、DS、PSP、そしてPS3の3本柱が稼いでいて、ぐっと落ちてWii、さらにぐっと落ちてXbox 360と、そんな印象になると思われます。

なんでそんなことになるのか。今回はゲーム専門店から見たゲームソフト市場、とくにWiiとPS3の関係について、お話してみたいと思います。

金額ベースでは、PS3が据え置きトップシェア

PS3とWiiの図

金額ベースで考えると、1番売れている据え置きハードは、WiiではなくPS3ということになります。

ゲーム専門店云々の話をする以前の前提として、そもそも2010年の据え置きゲーム機のトップハードはPS3である、というお話をまずしたいと思います。さっきWiiがトップでPS3が僅差で2番という話をしたばかりじゃないかと思われるかもしれませんが、それは販売本数の話ですね。どれだけたくさんのユーザーが遊んだのかということでいうと、本数はすごく大事なんですが、ゲームのお店の指標としては、むしろ重要なのは本数ではなく金額です。何本売れたのか、ではなく、いくら売れたのか、もっと言えば、いくら儲かったのか、が大事になりますからね。

勘のいい方はもうお気づきだと思いますが、Wiiの新品ソフトにおける店頭売価というのは、割引も考慮すると大体平均で5,000円前後くらいになります。対して、PS3は7,000円前後。ここのところは正確な数字を把握するのがわりと難しくはあるんですが、大雑把に言って2,000円ぐらいの差がでるんですね。そうすると、ソフト販売本数の差が大きくなければ金額ベースでは簡単に逆転します。

ですから、お店にとっての金額ベースにおける2010年の据え置きハードのシェアはトップがPS3、そして2位が僅差でWii、最後にぐっと落ちてXbox 360ということになります。この時点で、ゲームユーザーにとってのトップハードとゲームを売る人にとってのトップハードが逆転します。

さて、これをさらにゲーム専門店のに限って考えると、PS3が重要なハードであることが、より明確に浮かび上がります。
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