小規模多機能型居宅介護とは……概要・人員基準
小規模多機能型居宅介護では、通所、短期入所、訪問の各サービスをまとめて受けることができます
小規模多機能型居宅介護は、通所介護(デイサービス)を中心に利用しながら、必要に応じてショートステイや訪問介護を受けることができる、一種のセットメニューのようなサービスです。3種類の介護サービスを顔なじみのスタッフから受けることができるため、人見知りしがちな方でも安心して利用できます。
小規模多機能型居宅介護には利用定員が定められていて、1つの事業所あたり25人以下の登録制となっています。1日に利用できる通所サービスの定員は15人以下、泊まりは9人以下となっています。当然ながら、定員を超えている場合は、サービスを利用することはできません。
また、小規模多機能型居宅介護は介護保険サービスのなかでは「地域密着型サービス」と呼ばれる種類のもので、施設の所在地と異なる市区町村に住んでいる場合は利用できないことがあります。市区町村によっては、地域密着型サービス自体を実施していなかったり、小規模多機能型居宅介護を実施していないこともあるので、まずは地域包括支援センターや市区町村の介護保険課などで情報を集めましょう。
小規模多機能型居宅介護のメリット
小規模多機能型居宅介護には、さまざまなメリットがあります。通所介護(デイサービス)、ショートステイ、訪問介護を頻繁に利用したい人は、このサービスを使うことを検討してはいかがでしょうか。小規模多機能型居宅介護のメリットは、主に次の通りです。
- 毎回、ケアプランを作り直さなくても、必要に応じてデイサービス、ショートステイ、訪問介護の3つを臨機応変に選べる
- 1カ月あたりの利用料が定額なので、毎月の介護費用が膨らみすぎない。
- 契約する事業者が一つなので、連絡などの手間が少ない
- 顔なじみのスタッフや利用者との交流がはかりやすい
小規模多機能型居宅介護のデメリット
多くの長所を持つ小規模多機能型居宅介護ですが、デメリットもあります。まず、小規模多機能型居宅介護を利用する場合、次の介護保険サービスを利用できなくなります。
- 居宅介護支援(ケアマネジャー)
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- ショートステイ(短期入所生活介護/短期入所療養介護)
ケアプランの作成については、小規模多機能型居宅介護を行っている事業者に所属しているケアマネジャーが行うことになります。これまで別のケアマネジャーに依頼していた場合はそこで関係が切れてしまうので、長期間にわたって他のサービスを利用していた人ほど悩ましいところです。
その他の小規模多機能型居宅介護のデメリットは、主に次の通りです。
- サービスの一部に不満があっても、そこだけ別の事業者に依頼することはできない
- 1カ月あたりの利用料が定額なので、サービスをあまり利用しない場合は割高感がある
- 少人数での集団活動となるので、スタッフや他の利用者との折り合いが悪くなった場合は逃げ場がない
小規模多機能型居宅介護の対象者
要支援1以上、要介護1以上小規模多機能型居宅介護の費用・料金の目安
下記の自己負担額は、すべて負担割合が1割の場合。負担割合が2割、3割の人の場合は、それぞれ2倍、3倍の金額が自己負担額となります。■要支援の場合
- 要支援1……34,500円/月(自己負担額:3,450円/月)
- 要支援2……69,720円/月(自己負担額:6,972円/月)
※上記以外にも、施設の体制などによって個人負担額が加算される場合があります。
■要介護の場合
- 要介護1……104,580円/月(自己負担額:10,458円/月)
- 要介護2……153,370円/月(自己負担額:15,370円/月)
- 要介護3……223,590円/月(自己負担額:22,359円/月)
- 要介護4……246,770円/月(自己負担額:24,677円/月)
- 要介護5……272,090円/月(自己負担額:27,209円/月)
※食事代、おむつ代、宿泊の際の部屋代や光熱費などは別途必要。
※上記以外にも、施設の体制などによって個人負担額が加算される場合があります。
小規模多機能型居宅介護の申込先
■要支援の場合地域包括支援センターで相談したうえで、小規模多機能型居宅介護事業者に依頼して介護予防ケアプランを作成してもらう。
■要介護の場合
小規模多機能型居宅介護事業者に所属するケアマネジャーにケアプランを作成してもらう。