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タイの灯篭流し、ローイクラトン祭り

葉や鮮やかな花で彩られた手作りの灯篭を、水の精霊に感謝の意をこめて川や池に流す伝統行事「ローイクラトン」。タイの陰暦12月の満月の夜に行われますが、2010年は2010年11月19~21日。ローイクラトン祭りの楽しみ方と見どころをご紹介します。

執筆者:清水 千佳

乾季の訪れを告げるタイ伝統行事、ローイクラトン

鮮やかな南国の花で彩られた灯篭を流す美しい伝統行事ロイカトーン

鮮やかな南国の花で彩られた灯篭を流す美しい伝統行事ローイクラトン(c)タイ国政府観光庁

「ローイクラトン」とは、タイの陰暦12月の満月の夜に、農民の収穫に恩恵深い水の精霊に感謝を捧げ、また罪や汚れを水に流し、魂を清めるお祭りのこと。2010年は11月21日にあたり、前後数日間、タイ国内はローイクラトン一色に染まります(イベント開催は11月19~21日)。

この時期タイに行けば、葉や鮮やかな花で彩られた手作りの灯篭とろうそくと線香が街のいたるところで売られているのを見かけるはず。その灯篭に火をつけたろうそくと線香を立て、川や池に流すという伝統行事なのです。

川や池に限らず、ビーチであれば海、ホテルならプールというように、水のあるところならどこでも、タイ人は灯篭を流します。日本語で「タイの灯篭流し」と呼ばれるのも納得。

灯篭が流れる様子がロマンチックなため、最近ではカップルたちの間で、この祭りをお互いの愛情を再認識するためのイベントにもなっています。カップルが一緒に流した灯篭が寄り添うようにに流れていくと、お互いの愛が永遠に続くと信じられているのです。

バンコクのローイクラトン3大開催地

祝日はないが、夕方早めに仕事を切り上げて灯篭を流しに出かける

祝日はないが、夕方早めに仕事を切り上げて灯篭を流しに出かける(c)タイ国政府観光庁

灯篭を流すだけではなく、花火大会や美人コンテストも開催され各地でお祭りのような賑わいをみせます。バンコク市内ならチャオプラヤ川周辺、ルンピニ公園、シリキット王妃公園が3大ローイクラトン開催地となります。

タイ2大ローイクラトン祭り 発祥の町、スコータイ

この時期、タイ中からスコータイのロイカトーン祭りに参加するために観光客が押し寄せる

この時期、タイ中からスコータイのローイクラトン祭りに参加するために観光客が押し寄せる(c)タイ国政府観光庁

バンコク以外ではスコータイとチェンマイが有名で、タイ国内外から多くの観光客が押し寄せます。もともとこの行事が、スコータイ王朝時代に始まったと伝えられていることもあり、スコータイでは盛大な祭りが世界遺産・スコータイ遺跡のある歴史公園内で催され、遺跡の中心ワット・マハタートの前ステージでは、音と光の豪華絢爛歴史絵巻が繰り広げられます。タイを代表する世界遺産、スコータイ遺跡と伝統行事が一度に堪能できることもあり、普段は静かな田舎町スコータイが多くの人たちでごったがえします。

タイ2大ローイクラトン祭り
チェンマイのローイクラトンとコムロイ

コムローイが空に舞う様子はどこか神秘的な雰囲気すら漂う

コムロイが空に舞う様子はどこか神秘的な雰囲気すら漂う(c)タイ国政府観光庁

チェンマイではローイクラトンと同じ時期にイーペン祭りという仏陀に感謝の気持ちを捧げる祭りも開催。ローイクラトン祭りはカトーン(灯篭)を水に流し川の神様に感謝の気持ちを捧げるのに対し、イーペン祭りはコムロイ(ランタン)を空に放ち、仏陀に感謝の気持ちを捧げるというもの。この灯りが視界から消える時には、苦難が一緒に舞い上がり消えてしまうと信じられています。

コムロイは最近、日本のバラエティ番組や情報番組でも紹介されるようになったので見たことある人も多いのではないでしょうか。灯篭に加えて、何千個ものコムロイが一斉にチェンマイの夜空に舞いあがる様子は、まるで映画の世界にいるかのうな錯覚に陥るほど幻想的です。

この時期、タイ旅行を考えている人は、是非美しくて幻想的な伝統行事に参加してみてください。ただし、この時期スコータイ、チェンマイ行きの電車、飛行機などの交通機関やホテルは非常に混みあいますので、事前の予約をおすすめします。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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