甲状腺疾患によるうつ病・産後うつ病

更新日:2009年06月09日

ホルモンが影響? 出産後に多いうつ病とは

うつ病にはさまざまなきっかけがあります。喜びをもたらすはずの子供の誕生がうつ病のきっかけになってしまう事があります。産後うつ病は出産後の女性は是非、注意しておきたい事です。

産後うつ病?
喜びをもたらすはずの子供の誕生が、うつ病のきっかけになってしまう事があります。
子供の誕生は人生の大きな節目の一つです。子育てという社会的責任は大きなものですが、子供の成長は多くの人にとって人生の生きがいです。

しかし、喜びをもたらすはずの子供の誕生が、意外にも、うつ病のきっかけになってしまう事があります。今回は産後うつ病について、お話したいと思います。


うつ病の始まりは一見、マタニティ・ブルー

出産直後は喜びで気分が高揚するものの、その後、気分が憂鬱になってしまうマタニティ・ブルーは多くの方が経験しています。通常、数週間以内で消失し、精神医学的に問題のある現象ではありません。しかし、憂鬱な気分が数週間経っても収まらず、以下のような症状が出現している場合は注意が必要です。

意欲の減退<今まで楽しめていた事が楽しめない<睡眠障害<食欲低下<涙もろい<集中力の低下<感情の振幅が大きい<性に興味が湧かない<社会的な引きこもり

これらの症状と共に、生活上、自分がうまく機能しなくなってしまったら、産後うつ病の可能性があります。産後うつ病は出産直後とは限らず、出産後半年以内のいつでも起こり得ます。次に産後うつ病の原因とリスクの高い人について述べます。


産後うつ病の原因

うつ病は生活環境で生じるストレスや本人の体質的な要因が複合的に組み合わさって発症します。産後うつ病では、こうした一般的なうつ病の原因の他に、出産後に急激に変化する体内のホルモンが発症に関与しています。

妊娠中は女性ホルモンの血中レベルは高く維持されていますが、出産後、急激に低下して、妊娠前の元のレベルに戻ります。また、出産後、体内の代謝を調節する甲状腺ホルモンのレベルが低下し、気分が落ち込む原因となる事があります。

出産後の急激な女性ホルモンの変動はすべての人が経験しますが、もちろん、大部分はうつ病とは無縁です。実際に、うつ病が発症するのは10%程度です。これらの人達は、体質的に女性ホルモンの変動に気分が左右されやすかったり、生活上、大きなストレスを抱えている場合が多いです。

男性は、出産後の女性の体には生理的な大きな変化が生じて、うつ病のリスクが高い状態になっている事を理解して、相手を大切にケアしましょう。


産後うつ病のリスクの高い人

以下のような場合は出産前後のストレスが大きく、また、女性ホルモンの変動が気分へ影響を与えやすいので、産後うつ病のリスクが高まります。
  • 早産、難産など、出産が順調でなかった時
  • 妊娠中の病気
  • 予期していなかった妊娠
  • パートナーと不仲で、サポートが得られない
  • 経済的な不安
  • 過去にうつ病、特に、産後うつ病の経験
  • 月経前後に精神的に不安定になりやすい
うつ病から回復するためには、早めに精神科や神経科を受診するのが大切です。出産のようなお目出度では、周りの人は皆、祝福してくれるので、憂鬱な気持ちを告白する事はなかなか難しいかもしれません。うつ病は、放っておいたら治るという病気ではなく、病院を受診すべき病気であると、知っておく事は大切です。特に、死にたい気持ちが生じた時は、すぐに病院を受診しましょう。<なお、出産後のうつ病は女性だけとは限りません。男性も子供の誕生がストレスとなってしまい、うつ病が発症する事があります。うつ病には用心しましょう!
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この記事の担当ガイド

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中嶋 泰憲

慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学先でのカルチャーショックから、自…

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