空間と一体化した収納
さり気なく軽やかに、そしてスマートに収納が計画されています。まずは、玄関を入ってすぐ目に留まるのが階段。スキップフロア構成の間取りのカナメともいえる、その階段を浮かせ、その下にある下駄箱を浮かせることで、玄関まわりをゆったりと演出しています。白を基調に木目をアクセントにしている階段
さらに半階上った所がリビングダイニング。そして独立型のキッチンには、僅かなニッチを活用した収納があります。調理家電を収納するのには、うってつけのポジション。広さ3畳弱のこのスペースには、さらに使い勝手の良い収納が備わっています。
緻密なキッチン収納プラン
キッチンは2列型のレイアウト。流しの前には小窓があり、吊り戸棚も高めの位置にセットされているので、狭さを意識させない配慮があります。また、スペースの限られたキッチンでは収納不足が懸念されるのですが、程よいサイズの引き出しとその配置のおかげで、調理作業が無駄なくスムーズに流れる様子が想像できます。さらに、スライド式のストッカーもあるので、食材の保管も万全です。食洗機の面材が揃っているので、すっきり感が高まっている
抜け感で収納ヴォリュームをダウン
リビングダイニングから、さらに半階上がると寝室になっています。そこにあるクローゼットは、ハンガーパイプと棚だけのシンプルなつくりで実用的。衣類収納用のパーツを付け加えると、いっけん便利そうなのですが、そのぶんだけ使い勝手が制約されるので、採用する際には要注意です。クローゼット上部には、緩やかな稜線を描く天井。寝室の引き戸を解放すれば視線が抜けていくため、クローゼットのヴォリューム感を和らげています。さらに、ベッドのヘッドボード側の壁面にくぼみがあり、僅か数センチながらも、室内にゆとりと陰影をもたらしています。
素材を限定しつつ光と陰で空間を演出
取材協力
設計監理:イン・ハウス建築計画 一級建築士事務所
http://www.inh-arch.com
設計協力:相越直子建築設計室
施工:株式会社 青
http://www.ao-archi.com