一方、解熱剤は重大な副作用を起こすので使ってはいけません。周囲に麻疹の人がいる時は、発熱しても解熱剤は服薬しないで経過観察しましょう。
「発疹」は、麻疹vs免疫系の戦いの証拠
麻疹の診断は、麻疹の発疹が出てからされることが多いです。しかし、この発疹の意味は、潜伏期間中の、麻疹ウイルスと免疫系の小勢り合い(具体的には発熱)を経て、最後の決戦に及んでいる状況です。通常は免疫系の勝利で終わります。その後、数十年に渡り、免疫記憶が維持されるので、なかなか麻疹の再感染は起きません。麻疹を二度やっていると思い込んでいる例では、風疹を麻疹と取り違えている症例が多いです。風疹を麻疹と思っていると麻疹に感染するので注意が必要です。
治療対象の発疹前に有効な方法は……?
発疹の前に一種の口内炎が起きます。 |
ではこの口内炎よりも前に何か症状はないのでしょうか? 呼吸器系から侵入したウイルスが血液中に入り、ウイルス血症を起こしている時期。この時期は自覚的には、頭痛、腹痛、関節痛など、他覚的には、発熱が認められます。しかし他のウイルス感染による症状と区別ができないので、麻疹とは診断することができません。
この時期にうっかり解熱剤を使っては大変なことになります。
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