胃がん/胃がんの原因・症状・進行

「黒っぽい色の便」は胃がんの疑い?

便は健康のバロメーターと言われます。確かに、便通が善し悪しは体調の変化と関連があることは、経験的に知っています。ところで、便の色が消化管出血の部位と関係していることをご存じでしょうか?

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

便は健康のバロメーター

便は健康のバロメーター
便通と体調がある程度リンクすることは、私達は経験的に知っています。
便は健康のバロメーターとも言われます。快食・快便という言葉もあるように、すっきり便通がついた日は気持ちがよいもの。その一方で下痢や便秘の日は、なんとなく気分も晴れません。

便と健康という観点から言えば、胃潰瘍や大腸がんなど、消化管出血を来す疾患では、便の色は大きく変化します。

今回は、便の色から見た消化管出血の部位の推定についてお話します。

血液の色と鉄分

血液の色と鉄分
血液は、通常赤い色をしていますがこれは、ヘモグロビンによる色です。ヘモグロビンには、鉄分が含まれていますが、この鉄分の酸化が色の変化に影響します。
血液中には、ヘモグロビン(血色素)と呼ばれる物質があります。これは、ポルフィリン骨格という構造の中に、鉄分を含んだもので、血液が体の隅々まで効率よく酸素を運搬し、受け渡しをするために欠かせないものです。

通常、血管内には、空気はありません。鉄は、空気に触れると酸化、すなわち錆びていきます。鉄が錆びると、時間が経つにつれて黒く変化していきます。

ちょうど、膝小僧をすりむいたときに、最初に出てくる血がかさぶたになりますが、最初は、赤かった血液が、少しずつ暗い赤色に変化して、最後は、黒いかさぶたになっていきます。

このことを思い出しながら考えると、便の色と消化管出血の部位との関連性を考えることができます。

次のページでは、胃がんや大腸がんと便の色についても少し詳しく説明します。
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