胃腸の病気/血便・下血

大便・ウンチの異常でわかる病気・健康チェック法(2ページ目)

みなさんは毎朝、便のチェックをしていますか? ウンチは体調によって固いものから下痢気味のもの、色や太さまでさまざま。身体の健康状態をあらわすバロメーターなので、病気の早期発見・予防にも有用です。自分でできるウンチチェックのポイントについて解説します。

執筆者:光原 ゆき

たまには下痢をするのが健康的という説も……

大腸内部
長い大腸の旅の始まりです。大腸では水分を吸収して不要なカスを肛門まで運びます
ウンチの固さはどのように決まるのでしょうか。食べ物は胃酸によって溶かされ、不要なカスが十二指腸で消化酵素(水分)と合流し大腸から肛門へと流れていきます。体に必要な栄養素は小腸まででほとんど消化吸収され、大腸では水分を吸収します。たくさん水分を吸収すれば、それだけ大腸が水分を吸い取ったことになるのです。

反対にやわらかいウンチ、なかでも下痢は、大腸があまり水分を吸収しないまま肛門まで早く流れついたウンチ。腐った食べ物などで下痢になると、たいてい腸内炎や感染症を引き起こしているので、大腸はそれを敏感に感じ取り、早くウンチを外に出したくて仕方がありません。

便秘がちの人にとっては、水分を多く含んだ下痢が腸内を流れることで、体内に残ったウンチが排出できることもあります。しかしもちろん頻回な下痢や、慢性的な下痢には注意が必要。ちなみに下痢と便秘を2~3日おきに繰り返す場合、大腸がんの可能性もあるので注意しましょう。
 

太いウンチで今日も元気に!

「太いウンチなら今日も快便」は本当のことで、見た目で気になる細いウンチが何日も続くような場合、これまた大腸がんの心配があります。がんやポリープなどの突起物に邪魔されて腸の管が細くなり、必然的にウンチも細くなるわけです。

このように、ウンチの色や固さ、太さをチェックすることは、重大な病気のサインの発見につながります。もしウンチに異常があるときは、恥ずかしいと思ったり、自己判断で大丈夫と放置したりせず、きちんと医療機関で検査を受けることが大切です。自分自身の健康管理の第一歩として、ぜひウンチを観察する習慣をつけるようにしてください。


■今回お話を伺った先生
駒崎医院 副院長 駒崎 敏昭先生
駒崎先生
 

胃腸科専門医。
駒崎医院で診療するかたわら、徳之島や沖永良部島に行き離島での地域医療に貢献。消化器内視鏡指導も行っている。(2007年取材時)
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