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やる気、モチベーションを持続させるには?

目標や計画を立てて「やる気スイッチ」を入れても、そのやる気を持続させていくことは難しいものです。なぜやる気は長続きしないのか、持続するにはどうしたらよいのか、その方法を脳科学からアプローチします。

執筆者:塚田 祐子

■【前号】合わせてお読みください!
年に1度、仕事と人生の戦略を見直そう!


目標や計画を立てて、「やる気スイッチ」を入れても、実現させていくことは簡単なことではありません。何事も「継続は力」と言われても、目標を達成するまでやる気を持続させていくことそのものが難しいものです。そこで、なぜやる気は長続きしないのか、持続するにはどうしたらよいのか、その方法を脳科学からのアプローチで考えてみたいと思います。

やる気の仕組みを脳科学が解明!?

「やる気」の仕組みを脳科学が解明!?
やる気の正体とは?
脳科学の研究が進んで、人の性格や思考が、脳内神経伝達物質(脳内ホルモン)の分泌量の違いによるものだということが分かってきています。それによってどの神経回路をより使うかということが起こり、それがその人の思考の傾向となるということです。人それぞれの考え方や感情という一見とらえどころがないものが、科学で解明されるということはとても興味深いものです。今年北京オリンピックで大活躍した水泳の北島康介選手が、「2連覇できたのは、勝負脳を鍛えたおかげ」とコメントして話題になりました。私自身も、勝負脳を切っ掛けに、脳の働きに関心を持つようになりました。

やる気が高まっている状態というのは、脳の中で快感を司る脳内神経伝達物質のドーパミンと精神活動や意識を活性化させるノルアドレナリンの分泌が高くなり、行動を抑制するセロトニンが低くなっているそうです。そして、ライバルが出現したり、闘争意欲をかきたてられたりして負けん気を発揮すると、テストステロンという男性ホルモンの一種となる脳内ホルモンが分泌され、これが、ドーパミンやノルアドレナリンを増加させるため、やる気をさらにアップさせるそうです。

「よし、○○にチャレンジしよう!」と決めた翌日に、「冷静に考えたら、やっぱり自分にはムリ?」と思ったりすると、急にテンションが下がってしまうことがありますが、これは、考え過ぎたり、悩んだり、理性を働かせすぎたりすると、セロトニンの分泌量が増えて、やる気にブレーキをかけることになるからだそうです。すると、やる気の低下は、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌が低下した状態のことで、下げないようにコントールすることができれば、また下がってもまた上げることができれば、意欲的に取り組むことができるようになるということになります。


やる気の大敵は、「負け癖」をつけてしまうこと

やる気が失せてしまう原因の1つに、立てた目標が高すぎるということがあります。どんな夢も目標も、あきらめないでガンバリ続ければ必ずかなうと信じて、努力できる間は高いモチベーションを維持できます。しかし、半年、1年とやっていくうちに、実現する可能性が低いことが分かってくると、そのとたんにやる気は途切れてしまいます。

恐いことは、何かにチャレンジするたびに、途中で挫折したり、達成できないことで「負け癖」がついてしまうことです。頭の中では、「ガンバろう!夢はかなう!」という前向きに考える思考回路が閉ざされて、「ガンバってもまたダメかもしれない」という思考回路が形成されてしまいます。すると、仕事に意欲が持てなくなったり、つい悲観的物事を考えるようになってしまいます。これは、1人でビジネスをしていく上で、絶対に避けたいことになります。


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