文章:塚田 祐子(All About「フリーランス」旧ガイド)
アメリカでは4人に1人がフリーエージェント!?
「
フリーエージェント社会の到来」という本が話題を呼んでいます。著者の
ダニエル・ピンク氏は、ホワイトハウスでの要職を捨ててフリーに転身した経験の持ち主。アメリカでは、1980年代以降、組織に属さず、「個」を重視した「雇われない生き方」が増えはじめ、今や社会変化をもたらす大きなトレンドになっています。その動きの実態を1年かけて調査し、リポートしたのがこの本です。日本では、今年の4月に出版され、各メディアで取り上げられているので、目にした方も多いと思います。
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| アメリカでは、4人に1人が雇われない働き方をしています。 |
著者のピンク氏の推計によると、すでに全米で3300万人(アメリカの労働人口の4人に1人)の人が、「フリーエージェント」という働き方を選択しています。フリーエージェントとは、組織に雇われない働き方をする人々の呼び名で、フリーランス(個人事業)、臨時社員、ミニ企業家(会社設立)の3種類に分類されています。言い換えると、「インターネットを使って、自宅でひとりで働き、組織の庇護を受けることなく自分の知恵だけを頼りに、独立していると同時に社会とつながっているビジネスを築き上げた」人々のことを指しています。
日本で、“フリーエージェント!?”というと、“野球選手のFA宣言?”といった具合で、まだまだ社会のフリーエージェント化では、アメリカに大きく遅れています。その部分について、著者のピンク氏は、週刊ダイヤモンド誌(2002年9.7号)のインタビューで次のように述べています。「アメリカの組織人間より日本のサラリーマンの方が、フリーエージェントになるのが、難しいだろう。それは、アメリカ人には、
“独立して自分で仕事がしたいというDNA”が入っているからだ。しかし、日本でも、よりフリーエージェント社会になるのは必至で、もっと自分の意思で生きる人が増えてくると予想される。(中略)特に若い世代に期待が持てるのではないか。」
DNAとか言われると、アメリカの開拓魂「フロンティア・スピリッツ」が脈々とその子孫に受け継がれているのか!と感動し、日本人の国民性とのギャップを感じてしまいますが…。
それはさておき、「『産業革命以来の社会の大変革』と称されるこのトレンドは、日本にも例外なくやってくる。」と述べています。
今なぜ「雇われない生き方」なのか?
フリーエージェントが登場してきた背景にある変化として、ピンク氏は、本書の中で以下の4つを挙げています。
1.終身雇用制度の崩壊により、会社と個人の関係が変わった。
2.コンピュータが小型化、自在にネットワークへ接続できるようになったことで、個人が生産手段を安価に手にすることができるようになった。
3.生活水準が高くなり、働く目的が生活の糧のためではなく、仕事にやりがいを求めるようになった。
4.企業の寿命が短くなる反面、個人の寿命は伸びて、会社より長く生きるようになった。
つまり、大企業が大量の社員を終身雇用する経営モデルにリスクが出てきた、企業のライフサイクルが短命化して一生勤務できる補償が無くなってきたことで、会社人間として忠誠をつくすような働き方そのものにリスクが生まれてきたということです。分散型の投資をするように、複数の企業と仕事をしてリスクヘッジすることが不可欠な時代となったわけです。
そして、パソコン&インターネットの普及が、個人のこうしたワークスタイルの実現を可能にしています。
日本でも、経済の低迷から終身雇用制度の崩壊が進んでいます。今後、不良債権処理が本格化すれば、大量のリストラが敢行されるでしょう。となると、日本でも、フリーエージェント化が進むのは、そう遠い話ではなさそうです。
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