照明・LED/照明・LED関連情報

福岡の地下街

福岡では近年新しい商業施設が次々誕生しています。今回は新旧が交差する天神地下街をご紹介します。地下街は自然光が入らないので、照明が特に重要な役割を果たしています。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

先端を行っていた天神の地下街


写真1.新しい天神地下街
福岡へは大学で非常勤講師をやっている関係で毎年1,2回訪れています。特に夏季集中講義でいくことが多く、梅雨明け前後の最も湿度の高い時期になります。その時期は大気の透過率が冬と明らかに違うことを実感します。夏はちょっと遠くの山になると、薄い霞がかったように木々の色が白っぽく見えます。

福岡はこの10年くらいの間で、例えばベイサイド・プレイス博多やキャナルシティ博多など全国にも話題になるような大型商業施設が誕生しており、その都度、人の集まる場所が変化しています。地元の人から冗談交じりで、福岡の人は物事に飽きっぽく常に新しいものを求める人が多いから・・・と言う話を聞いたことがあります。


写真2.天神地下街の広場照明
昨年、天神地下街が、新たに開通した地下鉄線の駅と連絡するため延長されました。天神地下街は今から27年前に開業しています。照明は日本の地下街ではちょっと見られない暗さです。
  
私もその頃の天神地下街のプロジェクトに参加していましたので、今でも薄っすらではありますが覚えております。通路全般は確か300ルクスほどの照度が設定されていた、と思います。
  
当時の地下街は地下道と言う暗いイメージを払拭するために蛍光灯などの放電灯で1,000ルクス以上の明るさを求めていました。


写真3.地下街に隣接する階段照明
今日でもその名残りの地下街がありますが、夜、暗さになれている目で明るい地下街に入ると瞬間まぶしいくらいです。なかにはテナントのお店より通路のほうが明るいところも少なくありません。

そのような時代背景に300ルクスで、しかも全般照明はビーム電球のダウンライト照明ですから、この常識はずれ(?)の空間にメディアからは絶好の攻撃対象になったことも覚えています。

次の頁では地下街の新しい照明手法についてご紹介しています。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます