マンションの構造・耐震性

更新日:2006年03月29日

建物に適した地盤と基礎の関係を知ろう

欠陥建物や地震に弱い建物の多くは地盤に適した建て方をしていなかったことが原因とされています。今回は良い地盤、悪い地盤の見分け方や、地盤と建物基礎の関係についてみていきましょう。

中高層マンションの基礎の種類

基礎の種類は地盤の条件で決まってきます。硬い地盤が比較的地表近くにある場合は「直接基礎」を使い、硬い地盤が深く直接基礎をのせられない場合は「杭基礎」を使います。直接基礎には布基礎やべた基礎、杭基礎には支持杭、摩擦杭などがあります【図3参照】。高層マンションでは引き抜き力があるから地中深くまで打つ杭基礎がいいのかな?と思いがちですが、大切なのは、基礎部分と上にのっかっている建物の部分が堅牢に結合していることです。良質な地盤の場合はべた基礎で問題ありません。

マンションの基礎の種類
【図3】マンションの基礎の種類:マンションの基礎の種類は支持地盤までの距離などで決められます。



地震時の注意点としては、直接基礎の場合は地盤沈下や液状化による建物の沈下や傾き、杭基礎の場合は地盤の支持力不足や杭が破損することによる建物の沈下などが考えられます。それに対し適切な処置を行えば、地震に対して安全な性能を持つことができます。


地盤調査図の見方

それでは最後に地盤調査図の例を示します【図4】参照。これは土質形状図といい、その調査ポイントの支持基盤までの距離や、どのような地盤の層になっているかを知ることができます。閲覧することで、ご自身で土地の特性を確認することが出来ます。構造設計図に添付されていることが多いので、モデルルームなどで見せてもらいましょう。

土質形状図の例
【図4】土質形状図:この土質形状図では、支持地盤(N値30~50)まで20m以上あることが読み取れます。この場合、その支持基盤までしっかり杭を打ち込みます。
地盤調査は一般的に1敷地で数箇所行います。同じ敷地でも場所によって地盤の固さが違う場合があるからで、調査場所は建物が建つ予定の4隅に行うことが多いです。

今回は、建物の建つ地盤と基礎について、中高層マンションを例にして見てまいりました。建物を建てるには適切な地盤があり、地盤の特性にあった基礎形状を用いることが大切です。そのことが、建物のゆがみ、ひずみといった欠陥を防ぎ、地震につよい条件の一つになるのです。今回の土質形状図の見方を参考に、ぜひご自身の目で確かめてみてください。


【関連記事】構造の安全といえば…
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井上 恵子

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