近年には国内で比較的大きな地震が相次いだり、新耐震基準に適合する建物が税金の軽減措置対象に加えられたりしたことで、中古住宅の建築年に対する関心も次第に高まっているようですね。2011年3月の東日本巨大地震の発生を踏まえ、加筆訂正版をお送りします。
(初出:2005年10月)
実家の近くで手頃な価格の中古マンションが売りに出されたので検討しているところですが、ちょっと古くて建築年月日は昭和56年10月12日となっています。昭和56年に新耐震基準が施行されたとのことですが、このマンションもそれに適合していると考えてよいのでしょうか?
(埼玉県川口市 大久保さん 30代 男性)
建築基準法(施行令)の改正により新しい耐震基準(いわゆる新耐震基準)が施行されたのは、1981年(昭和56年)6月1日のことで、この日以降に
建築確認を受けた建物に対して新耐震基準が適用されています。
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| 都市部では古い基準による建物も数多く建っている |
建築工事に着工するのは建築確認を受けた後のことですから、その竣工時期で考えると、木造一戸建住宅では早くても1981年9月~10月以降に完成した建物が新耐震基準に該当することになります。ただし、建物によっては1982年前半頃の竣工でも、旧耐震基準で建てられている場合が考えられます。
マンションの場合はその規模にもよりますが、比較的小さめの建物でも通常は1年~1年半程度の工事期間が必要です。したがって、1981年6月に建築確認を受けたとしても、その竣工時期は早くて1982年夏~秋頃となります。1983年以降に竣工したマンションの場合には、新耐震基準に沿った建物である可能性が高いものの、1982年中の竣工では何ともいえないところです。
ただし、1981年5月以前に着工したものの工事が遅延したような場合、あるいは大規模なものなどを想定すれば、1983年に竣工した旧耐震基準のマンションもいくつかあるでしょうし、1984年に竣工した旧耐震基準のマンションもないとは断言できません。
ちなみに、
2005年(平成17年)の税制改正により、
不動産取得税における中古住宅の特例では、
登記上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の建物は新耐震基準に適合しているものと “みなす” ことになっています。実際には新耐震基準に適合しないマンションもあるでしょうが、木造一戸建住宅などとマンションとを分けて考えることの混乱を避けたのでしょう。
ご質問のマンションは新耐震基準が施行された年の10月に竣工しているため、残念ながら新耐震基準が適用される前に建築確認を受けたものだと判断されます。ただし、改正法施行以前の段階でも、施行予定の基準に沿った内容での指導は行なわれていたようですので、必ずしも新耐震基準を満たしていない建物だとはいえません。
※ 1981年5月31日以前に建築確認を受けていても、6月1日時点で着工していなかった建物については、建築基準法の規定により原則として新耐震基準が適用されることになるようですが、当時の規定運用の詳細は不明です。