文章:清水 光次(All About「地震・災害に強い家づくり」旧ガイド)
建物自体は損壊しなくても
住人がケガを負う理由とは?
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| 大地震が発生した後、家の中はこのように家具が散乱してしまいます(積水ハウスの実験より |
1995年1月、壊滅的な被害をもたらした阪神・淡路大震災では、死者・行方不明者は6000人超、負傷した人に至っては4万3000人以上となりました。
この地震は早朝5時46分ごろに発生しましたから、負傷者の多くは自宅で就寝中でした。その際、建物は壊れなかった家でも、多くの人がケガを負ったのです。いったいなぜでしょうか?
理由は、転倒してきた家具が寝ていた住人を傷つけたためでした。実際、震度7の地域では全体の60%以上の部屋で家具が倒れ、部屋中に散乱したという報告もあります。さらに屋内のケガを原因別に見てみると、
家具等の転倒落下が46%(日本建築学会「阪神淡路大震災 住宅内部被害調査報告書」より)に及んだ事実も分かりました。
大地震が発生した時
転倒しやすい家具は「本棚」
ちなみに、最も倒れやすかった家具は本棚。奥行が浅く、そのわりには背が高いために転倒しやすかったと考えられます。
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| 転倒しやすい家具のトップは本棚。揺れた時に内部の本が散乱しやすいのも危険です。日本建築学会「阪神淡路大震災 住宅内部被害調査報告書」より |
本棚をはじめとする家具の転倒防止策には、自分で設置できるさまざまな器具が市販されています。
しかし、積水ハウス(株)の総合住宅研究所が行った実験(※)によれば、上部のみの固定では縦・横方向の揺れに対して足元が大きく動いてしまい、金具の破壊が起きる可能性があることが分かりました。
また、足元をしっかり固定しても倒れてしまうケースが多かったのです。
※本を収納した本棚(左右1140ミリ×高さ1880ミリ×奥行290ミリ、総重量168キログラム)に兵庫県南部地震と同等クラスの加速度(100ガルの周波数を2~5ヘルツで変化させるスウィープ波)で縦横にそれぞれ加振した
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| 奥行が狭く、背が高い本棚は倒れやすい。下のほうに重いもの、上のほうには軽いものなどのモノの収め方にも工夫が必要 |
では、家具転倒の被害に遭わない理想的な方法はなんでしょうか?家具が倒れる方向に寝ないなどの方法が考えられますが、究極は「置かない」ことがベスト。家具は納戸やウォークインクローゼットに入れてしまう、あるいは、寝室は造り付けの収納家具にリフォームするなどの措置がとれれば安心はできます。
しかし、スペースの問題でそれは難しいという方もたくさんいらっしゃるでしょう。そこで考えられるのがホームセンターなどで市販されているさまざまな種類の家具転倒防止器具です。積水ハウス(株)の総合住宅研究所で行った実験で、その安全性を確認してみました。
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