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建築家住宅の実例
更新日:2005年03月20日
ともに育ってきた柿の木を残したいとの要望に沿って、阿佐ヶ谷の住宅密集地に建てられた桐山和広さん設計の家は、親娘の住まいへの考え方をみごとに体現した、天空に伸び上がるキノコ型の家でした。

阿佐ヶ谷の住宅地に建てられた一軒家は、その後まわりに相次いで建った家々に囲まれて、いつの間にか日の当たらない“埋もれた”家になってしまいました。そこでもう一度ここに、失われた日当たりや通風を取り戻す家を再生できないかというのが、建築家・桐山和広さん(桐山和広建築設計事務所)に寄せられた相談だったそうです。
場所はまさに袋小路に近い、コの字型に家々が密集する住宅地。建て主さんである親娘は、庭にある思い出深い柿の木をしっかり残しながら、この場所に快適に住める家をつくれるのは建築家しかいないと思われたのですね。

桐山さんは、建て主の要望に沿って「日当たり」「通風」「眺望」の確保を考えればほとんどの生活空間を上に持ち上げるしかないという結論に達しました。そこで1階から生活機能を思いきって切り離し、2-3階にすべての生活空間を持っていきました。この家が、1階部分がくびれたキノコ型をしているのも、そうした理由からですね。1階は生活空間をしっかり支える鉄筋コンクリート造、オーバーハングした2-3階は比較的軽い軽量の鉄骨造になっています。

玄関を入ると、そこは中央に生活空間へと続くらせん階段とエレベーターが隣り合わせに設置されたホールのような場所。エレベーターの裏側は収納になっています。たしかにここは採光がほとんどできませんから、個室とはいっても遠来の客人が泊まるだけの予備室的な機能しかありません。しかし、建て主さん親娘はここに畳を敷き、雛祭りの雛壇を置く場所にすると言われているそうで、この家全体から見ればここはここでけっこう素敵な、ゆとりある空間になりそうな気もします。

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