ランチ/銀座・東京・日本橋・新橋のランチ

銀座と共に60年 洋食みかわや【銀座】(2ページ目)

銀座4丁目、三越のすぐ裏に重厚な佇まいの一軒家レストランがあります。戦後間もなく創業し、銀座の歴史と共に歩んできた洋食屋さんです。60年もの長い間各界の名士から愛され続けてきた味とは?

菜々山 いく子

執筆者:菜々山 いく子

ランチガイド

口いっぱいに広がるカニの風味と甘味

蟹クリームコロッケは女性のお客さまに人気の一皿。ここでは、創業当時からの呼び名カニコロケット(2,835円)と称しましょう。極めて目の細かいパン粉をまとった小判型の上品な見た目。ナイフを入れると「サクサクッ」と音がするほどカラッと揚がっています。食べてみると、まず感じるのは蟹の強い香りとコクのある旨味。生のタラバガニを使っているからこそ、この味わいが出せるのです。さらに、弱火でじっくり炒めた玉ねぎからは奥深い甘さが伝わってきます。薄付きの衣が食感のアクセントに。
驚きなのは、入っている蟹肉の多さ。「こんなに蟹をいっぱい使ったコロッケなんて他ではなかなか食べられないよ」と自慢げなご主人。蟹肉をまとめるベシャメルソースもクリーム感たっぷりでなめらかな仕上がりに。このベシャメルソースがあるからこそ、蟹肉の旨味が引き立っているのです。

名脇役となっているのは添えられたタルタルソース。その日使う分しか作らないのがこだわりだそう。空気をたっぷり含んだ軽い食感で、玉ねぎの辛さやピクルスの塩分がきちんと主張した、エッジのきいた味わいです。単調になりがちな、まったりとした味わいのコロッケに合わせることで、新たな味のハーモニーが生まれるのです。

肉感あふれるハンバーグステーク

洋食屋さんの定番、バンバーグもいただきました。メニューには、やはり昔ながらの呼び名バンバーグステーク(2,415円)と載っています。ふっくらとしたハリのあるハンバーグにナイフを入れると、切れ目からあふれるのは澄んだ肉汁。デミグラスソースをたっぷりつけて一口。
肉汁は舌の上でもあふれんばかりにどんどん流れ出してきました。つなぎを少なめに作ったハンバーグは噛み締める度に牛肉の味やコクや香りがさらに増して行きます。口の中でホロホロとくずれるような柔らかな食感ではなく、歯や舌で肉感をしっかりと感じる男性的な味わいが特徴。

このハンバーグの美味しさを鮮やかに彩っているのが、デミグラスソースです。名店のデミグラスの味とは?

次のページで詳しくご紹介します。
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