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ドイツのクリスマスとシュトレン(2ページ目)

パン文化研究者舟田詠子さんの講演の内容をお伝えします。ドイツの静かなクリスマスと伝統のパン菓子シュトレンの呼称、歴史と背景、レシピ、ドレスデンのシュトレン祭、そしてパン屋さんの話。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

実際、シュトレンはいつ食べるのでしょう? クリスマス前に少しずつ、食べて行くという話も聞きますが・・・。


クリスマスのブランチ

マルガレーテさんの家庭では、この自家製シュトレンは25日のブランチの時間になってからようやくテーブルに並び、 家族みんなで一気に食べてしまったそうです。 ひとつ2キロの重さで2個作るお母さんのシュトレン。

毎年10月くらいから焼かれる30本ほどのシュトレンは、地下の倉庫貯蔵室に保存されます。 そのレシピは『誰も知らないクリスマス』(朝日新聞社) の中に掲載されています。

出来上がりは約2キロ。それ以下では貯蔵している間に中の香りが飛んだり、 乾燥してぱさぱさになるので、買う時も1キロ欲しいのなら2キロのを半分買うと良いと言われているそう。

そのレシピで舟田さんが作られたシュトレンを一切れいただきました。
おいしい! ドライフルーツよりマジパンをきかせた、ドイツのお母さんの味ってこんなふうかな、という味がしました。

ドライフルーツはレーズンとレモンピール、ナッツは(アーモンドパウダーとマジパン以外は)入っていません。 スパイスはバニラ、メース(注2)とカルダモン(注3)を少々。スパイスを露骨に気づかせない上品な使い方。

こねた生地の手前半分を押し伸ばし、マジパンをそこに乗せて巻きこむので、出来上がり生地に2種類の食感を生みます。 それがとてもおいしいのです。焼き上がりの熱いうちにバターを刷毛でたっぷり何度も塗り、翌日冷めてから粉砂糖をまっ白になるほど振ります。


シュトレンの呼称

STOLLENはLが2つ。このように子音がダブる時は、その前は短く発音するものです。 だからカタカナ表記にしても「シュトーレン」ではなくて本来「シュトレン」にしかなりえないのだそうです。
「シュトーレン」と呼ぶのが日本では一般的ですが、 それは最初に入ってきたときの間違いということで、これは是非お伝えしておきたいと思います。
(実際わたしも昨年までは気にしていませんでした。わたしの記事中の外来語表記はシュトレンに限らず、店の表記に従っています。)

シュトレンには「棒」という意味があります。
14世紀の文献には、パン屋の誇りと品質管理の伝統である「組合」を認可してもらうかわりに、 「シュトレンという白い棒パン」を12月に司教に献上したとあるそうです。
こうして「献上するもの」という伝統が始まり、さらにその呼び名は16世紀以降に「クリストシュトレン」に変わります。 シュトレンの形は、アッシジのジョットーの絵などにあるキリスト生誕の時のおくるみ姿を確かに思わせます。
ドイツでは現在、正式名をChrist stollen(クリストシュトレン)としています。

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