高野秀行『メモリークエスト』に興奮！

荒業師や呪術師が跋扈する大河の流域、謎の怪獣が棲むといわれる湖、世界最大のアヘン生産地など、未知の世界で見たものを面白おかしい文章で描く人気辺境作家・高野秀行。最新刊は他人の記憶を旅する『メモリークエスト』だ。

あなたの大切な記憶探します。

＜DATA＞タイトル：『メモリークエスト』出版社：幻冬舎著者：高野秀行価格：1,470円（税込）

本書は幻冬舎のwebマガジンに掲載された、こんな呼びかけから始まった。

あなたの大切な記憶探します。
時を経た今となっては、再会できる可能性はゼロに等しい「誰か」や「何か」……。
あなたの記憶にこびりついて離れない大切な記憶を教えてください！

集まった依頼メールのなかから、著者が今回選んだミッションは5つ。タイの山奥にいた小学生とは思えないほど人徳があって賢くてかっこいい少年、高級リゾート地セイシェルでなぜか春画をコレクションしていた老人など、すべて海外で出会った人を探してほしいというものだ。一番最近の遭遇でも5年前。しかも名前すらわからない人もいる。困難は承知の上の探索だったが……。

先の展開がまったく読めない旅に大興奮！