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氏家克典氏インタビュー Moog Modular V の実力

以前にも紹介したMoog IIIcのエミュレータ、Moog Modular V 。このソフトの魅力や面白さについて、DTMマガジンなどでおなじみの氏家克典さんに聞いてみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

DTMマガジンなどでおなじみのミュージシャンである氏家克典さん。この氏家さんは、先日発売されたMoog IIIcのエミュレータであるMoog Modular V の国内発売元のアイデックス音楽総研株式会社の社長でもあります。先日、そのアイデックスにお邪魔し、氏家さんにMoogとの出会いや思い入れ、そしてMoog Modular V の面白さなどについてお話を伺ってきました。


藤本:Moog Modular V 、売れ行き好調のようですね。今日はこのソフトについて伺うとともに、氏家さんのMoogとの関わりや思い入れなどについてお話を伺いたいと思っております。さっそくですが、氏家さんがMoogと最初の出会いについてお話いただけますか?

氏家:あれは大学のときですね。79年か80年だったと思います。今はもうないのですが、当時あった東京・吉祥寺にあるヤマハの店でMINI Moogを購入したんですよ。それまでもローズやクラビネット、ハモンドオルガンなどは買って使っていました。でもシンセというものが欲しかったんです。当時ちょうどポリフォニックに対応したものが出だしたころでね。

藤本:ポリフォニックのシンセというと当時どんなものがありました?

氏家:ちょうどRolandのJupiter4が発売され、その後しばらくしてKORGのPoly6などが発売されました。このJupiter4やProphet5などがMINI Moogとともに、このヤマハの吉祥寺店のキーボードコーナーに展示されていたんです。Prophet5などは高くて手がでませんでしたが、ポリフォニックに対応したJupiter4にしようかなと思ったりもしたんです。ただ結局はモノフォニックではあったけどMINI Moogに決めました。確か定価で47万円もするものでした。それを特別割引で38万円くらいで売ってもらいましたよ。もちろんローンですけどね。私がシンセを買ったのはこれが最初です。


藤本:実際、買っていかがでした?

氏家:いや、大正解でした。ライブやスタジオなどで使いまくりましたよ。このMINI Moogは今でも持っているんです。もう20年以上前のものではありますが、今でもいい音がでますよ。1度オーバーホールに出したことはありますが、現役で使えるシンセですね。

藤本:シンセを買ったのはMINI Moogが初めてとのことですが、買った時点でシンセの使い方などはご存知だったんですか?

氏家:ええ、完璧に分かっていましたよ。実は、その少し前にヤマハがCS10というシンセを出したのですが、それを使ったデモンストレーターに抜擢されたんです。その際、CS10の講習を受けていたため、シンセについては一通り覚えました。余談ではありますが、この講習を受けていたメンバーに福田裕彦とかもいたんですよ。

藤本:当時のCS10とMINI Moogを比べてどうでした?

氏家:ん~、これがぜんぜん音が違ったんですよ。やはりMINI Moogのほうが音が太いというか、厚いというか、全然違ったんですよね。この差は何なんだ!ってね。買うならMINI Moogしかないって思いましたよ。
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