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韓国国民俳優アン・ソンギ『墨攻』を語る(3ページ目)

韓国国内で最も有名な俳優といえば、「国民俳優」と称されるアン・ソンギ。日・韓・中の合作映画『墨攻』に出演した彼にインタビュー。合作ならではの苦労や俳優人生についてききました。

執筆者:桑畑 優香

カメラの前の一瞬を大切に

――アンディ・ラウさんとの共演はどうでしたか? またエピソードがあれば教えてください。

アン・ソンギ:
ひとつひとつの質問に考えながら丁寧に答えてくれた
アンディ・ラウさんとは今回の撮影で初めて会いました。ファンの方々と同じように、私は作品でのみ彼のことを見ていました。彼も私のことを作品を見て知っていたのだと思います。会うとすぐに仲良くなりました。私もそうなのですが、彼も相手に気を遣うタイプですね。撮影現場ではプロらしく、リアクションやタイミングを正確につかんでいました。とても楽しく、次に会ったときにはすっかり友人になっていて、また一緒に仕事をしたいと話しました。エピソードはいっぱいあるのですが、すごく長くなりますよ。時間が余ったら話しましょうか(笑)。

――アン・ソンギさんは俳優生活50周年を迎えました。役者として心がけていることを教えてください。

アン・ソンギ:
撮影現場と、撮影している瞬間のひとつひとつを重要に考えています。歌手や演劇俳優はその場に観客がいませんが、映画の撮影現場には観客は存在せず、カメラの前で演じるだけ。反応が返ってくるのはずっと後になってからです。でも観客の存在を忘れず、カメラの前に立つことが大切だと思います。その一瞬一瞬を重要なものととらえていくのです。

また、自分の時間を持つことも大切ですね。考える時間を持つこと。スケジュールがいっぱいでああ休みたいというのではなく、撮りたい、演じたいと思う余裕を持てる日程を組むことが大事だと思います。


一つ一つの質問に丁寧に答えていたアン・ソンギ。予定していたインタビューの時間が過ぎ、撮影中のエピソードを聞くのはあきらめようか……そんな空気が流れる中、名残惜しそうな雰囲気を感じたのか、アン・ソンギが「時間はまだ大丈夫ですか? エピソードを話しましょう」と自ら提案してくれました。

そのエピソードとは、「現場には各国語のたくさんの通訳がいました。日本の阪本撮影監督の通訳が一番大きな声で話すのが通例で、阪本監督が怒ると通訳も一緒になって怒っているのが面白かったですね(笑)」というもの。
にこやかに語る姿からは、初めての本格的な合作映画に取り組んだアン・ソンギが、いかに現場を楽しんでいたのかを察することができました。

アン・ソンギプロフィール

1952年1月1日生まれ。5歳のとき、父の友人だったキム・ギヨン監督の『黄昏列車』(57)でデビューし、名子役として数々の映画に出演。外国語大学ベトナム語科での学業と兵役を経て、77年に映画界に復帰した。『風吹く良き日』(80)で大鐘賞の新人賞に輝き、本格的に大人の俳優としての道を歩み始める。あらゆるジャンルの作品に出演し、多様な役柄に挑戦。『ツー・コップス』(94)で大鐘賞の主演男優賞、『MUSA(武士)』(01)で青龍賞の助演男優賞を受賞。2006年には子役デビューから50周年を記念して大鐘賞の特別賞が贈られた。国宝級とも称される韓国の国民的大スターである。
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