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映画「春が来れば」 監督に単独インタビュー(3ページ目)

素朴な炭鉱の町に赴任した中学校の音楽教師を主人公にした心温まる物語、「春が来れば」。リュ・ジャンハ監督に単独インタビューをしました。

執筆者:桑畑 優香

「ドラマは日常の小さなことに隠れている」

―初めて一本の長編を監督してみて、現場から学んだことは何ですか。
「やる前は、ただ、シナリオを作り、俳優をキャスティングして、カメラを回せば作品ができると思っていました。でも、それは浅はかな考えだったと悟りましたね。映画は助監督としてかなりの経験を積んでいたので心配はしていなかったのですが、実際に現場に行って、監督になってみると、思ったようにできなかった。初めての撮影が一番大変でしたね。自分が現場のトップになり、決断しなければならない。判断が正しいのか、とても注意深くなっていました。でもチェ・ミンシクはベテランなので、初めてメガホンを取る監督のプレッシャーをよく理解していて、場を和らげてくれました。スタッフたちも盛り上げてくれましたね」

―監督がこの映画で伝えたかったことは何ですか。
「この映画にはアクションなどは登場しません。日常生活の中で人と人とが交流する細かい感情、たとえば田舎で一人暮らししている息子に母親がお弁当を持ってくるとか。田舎の人との小さな交流とか。小さなディテールを生かすことで、人々が生きる姿のありのままを描きたかったのです。ドラマというのは、日常の小さなことに隠れているのです」

映画の中で、全国大会を夢見る少年が炭鉱に勤務する父親に反対されるシーンが出てきます。それについて監督は「韓国では今でも平凡な人生を望む傾向が強いのです。勉強をして、よい学校に入り、幸せな家庭を築く。実際に取材した中学校でも、親に反対されるケースがありました」。実は、監督自身、大学卒業後ホテルに就職したものの、映画を作る夢を忘れられず、映画学校に入学した経歴の持ち主です。
「オーケストラを夢見ながらも挫折したヒョヌや、全国大会を目指す吹奏楽部の学生たちはひょっとして監督自身の姿を描いたものですか」
 そうたずねると、監督は深くうなずきました。

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