工作・自由研究/ダンボール工作

フィンランド発!子どものための家「レイキモッキ」

フィンランドの一般家庭にある「レイキモッキ」は、日曜大工で作る、子ども用の小さな家のことです。製作過程で親子のコミュニケーションを深めると共に、子ども用のプライベート空間がととのいます。

執筆者:鈴木 宏枝


フィンランドの「レイキモッキ」をご存知ですか?

フィンランドのレイキモッキ
フィンランドのレイキモッキ。庭に小さな家を建てます。お父さんが娘に作ることが多いそうです。(写真提供:小林大祐先生)
フィンランドのレイキモッキ
北欧の夏をより楽しくするレイキモッキ。大人も憩いたいようなスペースです。(写真提供:小林大祐先生)
フィンランドには、「レイキモッキ(Leikkimokki)」と呼ばれる子ども用の小さな家が、各家庭にあります。 Leikkiは「おもちゃ」「遊び」、mokkiは「別荘、サマーハウス」の意味で、つなげると「おもちゃの家」。主にお父さんが娘のために庭に作る小さな家で、男の子は自分たちで隠れ家を作るのだとか。

だいたい広さは半畳から一畳、高さ1.5メートルくらいのものが一般的で、一から手作りする場合もあれば、5万円ほどの専用キットを組み立てる場合もあるようです(例えばここ!)。子ども同士の遊びの場や、広いものだとお泊まり会にも使われるとか。冬場は気温が低いので使われませんが、気持ちの良い夏には、まさに大活躍ですね。

成長して中学生くらいになると物置になることが多いそうですが、小さなレイキモッキが、いつでも視界にあるというのは、子ども時代が保存されているみたいで楽しいです。

京都文教大学の小林大祐先生によると、もともと庶民のレイキモッキは農家の長屋門の2階に設けた女の子用の小部屋で、プライベートの場所になるとともに、お嫁入り前までに製作した手工芸品などを飾ってお婿さん候補に見せるところでもあったとか。小さな家を建てる、というのは貴族階級のやり方でした。20世紀に入ってから、裕福な給与所得者が、首都のヘルシンキ郊外に庭付きの家を持つようになり、一般家庭でも、レイキモッキを作るという習慣が生まれたそうです。

親がつくったレイキモッキは、いわば親の愛情がいっぱいに詰まったものであり、それと同時に、自分の家として精神的な拠り所にもなります。自分だけの空間で一人遊びをすることは独立心を養うことや、思春期における親離れ、子離れにも役立ちます。また、インテリアの飾り付けを通して住教育の面でも有意義と考えられています。
小林大祐先生「子どもの成長を促す小さな家、レイキモッキ」より)

外から見ても木の風合いやペンキの色合いがなんとも愛らしいレイキモッキ。さらに楽しいのはその中のインテリアです。

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