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ミシュランはイベントも積極的に行った。なかでも有名なのは、1960年代から70年代にかけて、毎年夏にフランスなどの海水浴場で子供などを対象にゲームやパレード、ライブなどを行った「タイヤのカーニバル」だ。もちろんそこでの主役はビバンダム。1979年のこのポスターは、ブルターニュ地方のクロワジックという街での「カーニバル」を宣伝したものらしい。
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ミシュランの宣伝マンとしていろいろなカタチで活躍してきたビバンダムだが、なかにはこのように、広告とはなんの関連もない絵もあった。しかも、いつのまにか子供がいる! ミシュラン社内では、ビバンダムに耳をつける案もあったという。こういった研究開発?があったからこそ、一世紀以上も生き続けることができたのではないだろうか。
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そんなビバンダムがまたも変身したのは1980年代。ミシュラン・アメリカの広告制作部長だったウォルター・ストロザックのアイデアで、それまでのタイヤを転がしながら右手を上げるポーズから、突き進むポーズになったのだ。同時に目はさらに大きくなり、口はタイヤのすき間とは関係なく描かれるようになった。WRC1994年ツール・ド・コルスのオフィシャルポスターにも、この絵柄が使われている。