モータースポーツ/SUPER GTについて

SUPER GTが今も大人気な理由(3ページ目)

世界中のスポーツカーが競演する「SUPER GT」の魅力を再検証。面白いバトルの連続、不況の中でも高い人気と集客力を維持する要因は?また「SUPER GT」を取りまく環境の変化についてもご紹介します。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ドライバー達も積極的に情報発信!

また、「SUPER GT」の顔であるドライバーたちも今まで以上にファンサービスに積極的になっています。以前から「SUPER GT」はファンサービスには力を入れていましたが、今はドライバー自らすすんでファンとの交流を図ることが多くなってきました。
脇阪寿一(ペトロナスSC430)はTwitterでも大人気!
【写真提供:TOYOTA Motorsport】

景気の良かった2年前までは、自動車メーカーがプロモーションイベントを用意していたので、プロのGTドライバー達はそれに出演するパターンがほとんどでした。しかし、今のこの不況下では自動車メーカーも広告宣伝の予算を減らしていますから、彼らが露出するチャンスも激減しています。

そんな中、メーカーを代表するトップドライバー自ら先頭に立って、ファンに向けてのメッセージ発信、情報発信をしながら、ファンとの交流を図ろうとしているのは一つの新しい流れです。Twitterやブログを使って、ファンにメッセージを送ったり、ドライバー達が先頭に立ってファンとの交流イベントを開催したりと、これまでのレース界には無かった動きが出てきています。
トヨタ系ドライバー達によるファンとの交流イベント
【写真提供:TOYOTA Motorsport】

自分たちを支えてくれたファンに感謝の気持ちを伝え、新しいファンとも距離を縮めていくドライバー達の努力に敬意を払いたいですね。そして彼らのメッセージ発信がレースの魅力、クルマの魅力を改めて人々に伝える原動力になればと願います。チームだけでなく、ドライバー達もマイナスばかりの現状をプラスに変えるべく頑張っているのです。

SUPER GTは新しい未来へ向けて走る

「SUPER GT」の周りでは不況というマイナスが、新しい流れを生み出しているわけですが、レース業界を取り巻く状況が厳しいことは変わりありません。世界全体の流れとして、モータースポーツ業界は過渡期にあるといえ、その存在意義も含めて状況は常に変化している、非常に流動的な状況です。

そんな中、「SUPER GT」はDTM(ドイツツーリングカー選手権)と交流をもち、将来的なレギュレーションの統一化に向けた動きを見せています。DTMにはアウディ、メルセデスが参戦していますが、2012年からはBMWも参戦すると噂されていますし、さらにはトヨタも参戦の検討をしているとされます。ドイツ国内だけでなく世界的な人気を誇るDTMと「SUPER GT」が手を組むとなれば、マーケティングツールとしてレースを活用できる範囲も広がるでしょうし、いろんな意味で期待がもてます。
DTMはメルセデスとアウディの一騎打ち。SUPER GT以上に派手なエアロを装着した迫力のレースだ。
【写真提供:Daimler】

とはいえ、これはまだ交流が始まり、今まさに検討が行われているという状況で、両者は2015年をメドにレギュレーションを統一したい方針です。またこの統一規定には米国のグランダムシリーズも交渉に加わっているようで、多くの部分で調整が必要であるものの、将来的にはヨーロッパ、アジア、アメリカでグローバルな規模のレースが開催されるかもしれません。今とは形態が異なるレースになったとしても、今年の「SUPER GT」のようなエキサイティングなレースが続いて行くと良いですね。
マレーシア戦は毎年の恒例。今後は他のアジア諸国での開催も視野に入れているはずで、SUPER GTはアジアのGTレースシーンの主役になれるか注目されます。
【写真提供:SUPER GT.net】



【関連リンク】

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