私がバースコーディネーターとして活動を始めて、早12年が過ぎました。妊娠前から産後までのさまざまな女性を支援していますが、妊娠前の女性がクラスに来る目的はそれこそ多様です。自分の体のケアに興味を持った女性、「そろそろ赤ちゃんを」と意識し始めた新婚さん、赤ちゃんが欲しいと思ってから数年待っている授かり待ち期の女性……。
すぐに妊娠しないと「不妊症」?
 |
| なかなか妊娠しない理由は「不妊症」だから!? |
避妊をやめても授からない場合、すぐに「私って不妊症?」と思い始める人はとても多いのですが、それは性急です。
では、どのくらい妊娠しなければ「不妊症」と言われるのでしょう? 一般的には、結婚して避妊をせずに2年経っても妊娠しない場合、不妊症と診断されます。しかし、現代のハードワークな日々やタバコなどの悪影響、親になることを先延ばしにしたい心理など、心身をとりまく条件に様々な背景があります。この「2年間」という数字は、厳密には正しい尺度ではないかもしれません。
結婚前であったり仕事がハードであるなど、避妊をする理由も多種多様。そして赤ちゃんが来ても大丈夫!と思い始めて、避妊期間を解く。さぁ、避妊する必要がもうなくなったから、いつでも赤ちゃんいらっしゃい! あれ!? 避妊を解いたのに妊娠しないなぁ……。
私たちは、学校教育の中で「学生時代に妊娠してはならない!」と避妊教育を受けてきました。もちろん、心も体も一人前の大人として成長してから赤ちゃんを授かるもの。興味本位での性行為による妊娠は、本人も生まれ来る赤ちゃんにとって不安定なものです。
「妊娠しないために=避妊を行う」という図式が脳の配線に組み込まれているためか、「避妊をやめる=健康であれば妊娠する」という思い込みがあります。
自然受精率は40%以下。自然妊娠率は意外と低い
「避妊しない=排卵日にセックスをすれば妊娠する!」という思い込みで、必要以上に自分を「病気ではないか」と苦しめている方が増えているようにお見受けします。講演会先の質疑応答では、「不妊歴2ヵ月ですが」とお話される方もいらっしゃいました。避妊を解いて2ヵ月間、排卵日前後にセックスをしたけれど授からなかったということでしょうが、そんなにロボットみたいにはいかないものです。
健康な精子と卵子が例え出会ったとしても、すべてが受精するわけではありません。生殖医学の本などを見ると、自然受精率は40%以下とあります。2ヵ月前に避妊をやめただけで、「不妊症」と思い込むのは早合点。自然妊娠率は想像以上にとても低いものです。