座席クラスによって運賃や預ける荷物の無料許容量が違う
航空券は、利用する座席のクラスによっても料金が違います。一般的な座席クラスの表示は次の通り。なお、航空会社によっては、別称をつけている場合があります。■ファーストクラス
もっとも高い運賃の座席クラスで、FやPで表示されます。ミールサービス（機内食）も贅を尽くしたものが多く、一人のキャビンアテンダント（CA）が担当する乗客の人数が少ないため、行き届いたサービスを受けることができます。
■ビジネスクラス
中間クラスとも呼ばれ、CやJで表示されます。出張渡航などに多く利用されることから、ビジネスクラスと呼ばれます。ファーストクラスより座席のピッチがいくぶん狭いですが、それでも水平に近いリクライニングの座席仕様に、特別なミールサービスなどを受けることができます。
■エコノミークラス
Yクラスとも呼ばれ、もっとも運賃の安い座席クラスを指します。団体旅行やパッケージツアーでの利用度が高く、座席ピッチがもっとも狭いのが特徴。航空会社に預ける手荷物（スーツケースなど）の無料許容量は、エコノミークラスがもっとも少なく、ビジネスクラスやファーストクラスは重量などが優遇されています。無料許容量を超えた場合は、超過料金を支払うしくみです。
国際線エアチケットの種類
それでは、気になる航空券の種類をご説明しましょう。国際航空券には、大きくわけて3つのタイプがあります。航空会社のホームページで予約をするときには、各社それぞれに航空券にニックネームをつけていますから、表現が違いますので注意してください。■正規運賃航空券（普通運賃）
正規運賃で示された料金は、目的地までの価格の上限と考えることができます。予約さえ取れれば、利用の時期を問いませんし、有効期間1年の範囲内でしたら、何度でも予約の変更に応じてくれます。片道航空券や往復割引運賃があります。
■正規割引運賃航空券
PEX運賃（「ペックス」と読みます）と呼ばれるもので、出発の時期によって料金はまちまち。予約して購入するまでの期間や変更について、細かい制約があり、利用する航空会社によってもルールが違います。2010年、IATA運賃の改定によりPEX運賃はシーズナリティ（季節による価格差）を廃止（一部路線を除く）、価格設定が大きく変更になりました。
■格安航空券
航空会社が、団体旅行向けの安いレートで旅行会社に卸したIT運賃（「アイティー」と読みます）と呼ばれるチケットが、バラ売りされたものです。通常、「28日FIX（「フィックス」と読みます）」といったように、有効期間が短いのが特徴です。エコノミークラスが一般的に多く出回りますが、なかにはビジネスクラスの格安航空券もあります。北米・中南米路線や東南アジア・南アジア亜大陸路線では、IT運賃が廃止になりました。
ちなみに正規運賃や正規割引運賃のチケット（上記の（1）と（2））は、航空会社各社のホームページからネット購入することができますし、航空会社のカウンター窓口や専用電話で買うこともできます。一部の旅行会社でも購入が可能ですが、旅行会社によっては取扱手数料を請求される場合もあります。航空会社が正規に販売するチケットなので、格安航空券（上記の（3））に比べると、マイレージも多く加算されますし、座席指定ができるなどのメリットがあります。
格安航空券は、旅行会社でないと購入はできません。特に格安航空券専門の旅行会社の場合、大量に仕入れるので、ひときわ安くなるのが特徴です。いったん購入すると予約変更ができないなど制約が多く、座席指定もできませんが、安さからいえば大きなメリットがあります。
■ローコストキャリアLCC
格安航空会社ローコストキャリア（略してLCC）は、徹底したコストカットと料金の安さから、近年、利用者を拡大しています。予約受付、手配回答、決済の一切をインターネットとクレジットカードで行い、リアル店舗はもたないのが通例です。一般に、先のスケジュールであるほど安く購入できる傾向にあり、サイト上で希望日の空席最安値が表示されるしくみ。キャンペーンレートは特に安く、瞬時にソールドアウトになることも。機内食や機内での飲み物、毛布や枕、新聞雑誌、イヤホンなどが全て有料化されていて、座席の指定ができないのが通例。予約定員の自由席制を採用しており、並んだ順番で搭乗・着席するのがルールです。無料手荷物許容量も、従来の航空会社とはまったく異なり、受託手荷物を有料化しているLCCもあります。
近年、LCCに代表されるように、空を取り巻く環境が大きく変化しています。IT運賃の一部廃止など、これからは航空会社が自由に料金を設定して、インターネットなどを通じて販売し、予約搭乗率をあげる工夫が必要な時代となりました。そのため、LCCより安値で、一般の航空会社の格安航空券を入手できるラッキーなケースも。上手に使い分けましょう。
