長く愛せる住まいを手に入れるために 知っておきたい「安心できる我が家」の建て方つくり方

家の性能がわかる!知っておきたい住宅性能表示制度

新築住宅の購入や建築を考えているなら知っておきたいのが「住宅性能表示制度」です。住まいの性能を等級や数値で表示するので、私たちでも性能を比較しやすいのが特徴です。この制度の概要とメリットを説明しましょう。

住宅購入や建築を考えているなら知っておきたい制度

「住宅性能表示制度」とは、住宅の性能を客観的に判断できるように表示した任意の制度です。

例えば、車を購入するときは価格のほか、排気量や燃費、最高出力などを比較して選ぶことができますが、住宅性能を比較するのは難しいものです。地震に強いとか、省エネ効果が高いといっても、その定義はあいまいで、基準もまちまちだからです。

そこで、住宅の性能を同じ基準で評価し、誰でも比較しやすい等級や数値で表したのが「住宅性能表示制度」です。この制度は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」という法律に基づいてつくられました。

住宅性能を10分野に分け、確認&比較ができる

住宅性能表示制度では、住宅の性能を10分野33項目に分け、分野ごとに評価し、等級や数値で表示します。

一例を挙げると、「火災時の安全(耐火)」という分野では耐火等級が数字で表示され、等級の数字が大きいほど性能が高いことを表します。

「構造の安定(耐震)」、「劣化の軽減」「維持管理・更新への配慮」「温熱環境・エネルギー消費量(省エネ対策)」の4分野は必須項目ですが、それ以外は自由に選択できますので、気になる性能を選んで評価を受けられるようになっています。

第三者機関による公正な評価や現場検査が受けられる

住宅性能表示制度による評価には、設計段階の「設計住宅性能評価」と、施工・完成段階の「建設住宅性能評価」の2種類があり、それぞれマークが表示されます。

設計住宅性能評価は単独でも受けられますが、後述の専門家相談などを利用できるのは、「建設住宅性能評価書」を交付された住宅のみです。「建設住宅性能評価」は、「設計住宅性能評価」を受けた住宅で利用できることになっています。完成までに原則として4回の現場検査(3階建て以下の住宅の場合)があり、国に登録された登録住宅性能評価機関が、評価を受けた設計図書通りに工事が進められているかどうかチェックしてくれるのです。この制度を利用する場合には、評価機関が定める費用が掛かります。

評価を受ける場合の流れはこの図のようになっています。
「建設住宅性能評価」の場合は、工事中に検査があります。
国土交通省資料(発行:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会)より

資産価値が長く保て、トラブル発生時も安心できる

では、住宅性能評価制度を利用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

ひとつめは、住まいの性能が保証され、資産価値が守れることです。 新築住宅の契約をするときに、契約書に評価書(またはその写し)を添付した場合、その評価書に書かれた性能の住宅を引き渡すことを契約したことになります。つまり、手に入れる住宅の性能が希望した通りのものかを確認できるのです。

評価書の作成は工事を担当した施工会社などに依頼しますが、その評価は第三者機関が行います。新築時の住宅性能が評価書によって誰にでもすぐわかるので、将来売却する際にも役立つことでしょう。 また、住宅性能表示制度がスタートした時点では新築住宅だけが対象でしたが、現在では既存住宅でも住宅性能評価を受けられるようになりました。

さらに、「建設住宅性能評価書」の交付を受けた住宅は、電話相談(住まいるダイヤル)をフリーダイヤルで利用できるほか、万が一住宅にトラブルが発生したときには、対面方式の弁護士及び建築士による専門家相談や住宅紛争審査会による紛争処理を利用することが出来ます。詳しくは、下記ホームページの図をご覧ください。

地震保険料割引や住宅ローン優遇も

そのほか、地震保険料の割引を受けることができます。耐震性能の等級に応じて割引率が異なりますが、最大で50%の割引となります。
さらに、等級など評価書の内容にもよりますが、民間住宅ローンの金利優遇のほか、住宅金融支援機構提携のフラット35でも金利や手続きの面でメリットを受けられる場合があります。
住宅の性能を客観的に判断できるだけでなく、資産価値を守り、トラブル発生時の対策もスピーディーに行うことができるのがこの「住宅性能表示制度」です。新築住宅の購入・建築時には、メリットの多いこの制度を積極的に活用してください。

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